一方、努力家でしっかり者のあかねは、幼い頃から不遇でした。母親からのモラハラと金銭搾取を乗り越え、看護師として独立。親友の梅子を頼りないと危惧しながら、恵まれた環境にいる梅子を羨(うらや)んでいました。
ずっと孤独だったあかねは、ある日、街頭で占い師に声をかけられます。占い師からのアドバイスが核心をつき、じょじょに占いへ傾倒していくのです。
やがて結婚間近と期待していた医師の彼から一方的に別れを告げられ、今度は占いに八つ当たりするように。
親ガチャという言葉があるように、親も境遇も子供は選べません。しかし成長してからの人生は、多かれ少なかれ自分で選べるはずです。
占いが当たったら、自分の幸せとして享受し、占いがはずれ、不幸に見舞われたら占いのせいにする。もともと占いを選んだのは、梅子やあかね自身だったにもかかわらず、都合ばかりを占いに押し付けてしまうのはなぜなのでしょうか。