
占いにハマるきっかけは、失恋や失業、近しい人の死など、ふいに訪れる不幸ではないでしょうか。
「どうして私だけ?これ以上の不幸はいや、幸せになりたい!」
純粋な願望から占いに走り、少しでも運気が好転するようアドバイスをもらいます。でも、ふいに訪れた不幸がもたらした、あなたの心はどんな具合かわかりますか。
苦しい、悲しい、つらい。そんな感情に満ちた心と向き合いたくなくて、誰かに幸せを指南してほしくなる。
でもちょっと待って。まずは心の叫びから逃げずに、心をきちんと抱きしめてあげましょう。苦しさや悲しさやつらさを認めてあげないと、あなた自身の幸せにたどりつけないのです。
もちろん、占いは悪ではありません。幸せの手助けをしてくれるには違いないのです。「自分の本当の悩みに気づくと、悩みは霧散する」とは、本書の巻末にある占い師の弁です。
占いが人生を左右するのではなく、占いを参考にあなた自身が運命を切り開いていく。そんな強いメッセージが本書には込められているのです。
<文/森美樹>
森美樹
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『
主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『
母親病』(新潮社)、『
神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。
X:@morimikixxx