小池徹平が“ヘンタイ不倫男”として、これでもかと暴れまくる最大の理由|ドラマ『離婚しない男』
“嘘から出たまこと”の不倫ドラマ
歌うように演じ、演じるように歌う。シンガーソングライターでもある小池には、歌と芝居の横断は朝飯前か。綾香に対する誘惑のささやきはリズミカルに響くし、渉と直接対峙する瞬間でさえ、軽やかな拍子を取っている。
マサトはまた、歌うように嘘をつく人でもある。綾香はマサトにぞっこんだけれど、彼にとって彼女は渉への復讐を遂げるためのコマに過ぎない。マサトが渉に差し向けた刺客と思いきや、官能的な竹場ナオミ(藤原紀香)は実は工作員ではなかったというのも巧みで周到な嘘のひとつ。
マサト陣営が矢継ぎ早に繰り出す嘘の数だけ、ドラマ全体が嘘の衣を何枚も重ねていくよう。でもきっとこの嘘が、不倫の本質(真実)を解き明かすことになるのかなと思う。“嘘から出たまこと”の不倫ドラマということ。
<文/加賀谷健>
- 8話より











