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42歳で乳がん発覚。抗がん剤治療でシャワー中に髪がゴソッと“取れる”感覚にゾゾッ

担当医に抗がん剤中のお酒について聞いてみた

 その後病院で「抗がん剤中ってお酒飲んでいいんですか?」と担当医に聞くと「うーん、そんなこと聞かれたことないからわかんないけど、多少ならいいんじゃない?」という答え。経験豊富な担当医も困らせるほどの大胆な質問だったようです。  医師のお墨付き(?)をもらったわたしも、家で少し晩酌を試してみたところ、いつもと変わらずだったので、それ以来お酒をたしなむように……。夫は病気予防が趣味のような人なので「がんになったのに、よくお酒なんて飲めるな……」とドン引きしていました。  そうこうしているうちに、3週間がたち、2サイクル目の点滴の日がやってきました。血液検査で白血球の数を調べ、問題なければ投与となります。  風邪もひかなかったし、抗がん剤中にできやすいと言われていた口内炎も思ったほどできませんでした。氷をなめていると口内炎予防に良いと聞いて実践しましたが、それがどれくらい効果あったかは分かりません……。  2サイクル目は、1サイクル目以上に具合が悪くなる可能性は低いとのことで、比較的気楽に点滴を受けられました。やはり翌日以降、前回と同じような不快感はありましたが、普通に動ける程度でした。  それ以外にも、爪が薄くなる、色が悪くなるなどありましたが、気になるほどではありませんでした。かなり個人差があるとは思います。

目標にしていたフラメンコの発表会が近づく

フラメンコ そうこうするうちに、抗がん剤を打ちながらも出ると決めたフラメンコの発表会も近づいてきました。レッスンでは踊りこみ、本番会場でのリハーサルなども控えて、より体調を崩さないように注意しながら日々を過ごしていました。  発表会を控え、一か月前のリハーサル前日に発熱。白血球が減少していると感染症を起こして重症になりかねないと聞いて焦りましたが、大事には至らず翌日には熱も下がり、なんとかリハーサルに参加。風邪でもなく、緊張による知恵熱のようなものだったようです。  本番はこんなことがないようにと気持ちを引き締め、練習に集中。フラメンコの発表会につけるためのウィッグを購入したり、準備を進めました。  そしていよいよ発表会当日を迎えました。乳がんを宣告された日からずっと、がんの治療をしながらでもこの舞台に立つことを心に誓って治療をしてきたわたしには、発表会の会場に入った瞬間、すでに「やっとここまで来た」という気持ちで胸がいっぱいでした。  病院の先生、看護師さん、アピアランス支援センターのスタッフさん、がん友、そして家族。いろんな人の顔が浮かびました。フラメンコはただの趣味だけれど、ここで今日踊ることは、わたしにとってすごく意味があることでした。わたしをここまで頑張らせ、支えてくれたものがフラメンコだったのです。
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生きていることの幸せを痛感
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