
そんなある日、洸平さんとのドライブデート中に…。
「私達の前に初心者マークの車が走っていたのですが、明らかに洸平さんがイライラしだしたんです。そして『下手くそ、はやく行けよバカ』と暴言を吐き出して、見苦しくて見ていられなくなりやんわり注意をしたら…今度は私にイライラをぶつけだして、わざと乱暴な運転をして怖がる私の反応を見て楽しみだしたんですよ」
そんな洸平さんの態度に我慢できなくなった千秋さんはキレてしまい、2人は大喧嘩の末に決裂してしまったんだそう。
「洸平さんは私好みのハーフっぽいイケメンだったので、ちょっと気がつきたくない気持ちが働いてしまったのですが…実は頼り甲斐のあるタイプなんかじゃなくて、ただ何でも自分の思い通りにしたいだけの身勝手な子供っぽい人だったんですよ」
千秋さんが意気消沈していると、再び優弥さんからお花見のお誘いがきました。
「もう会うつもりはなかったのですが、なんだか癒しが欲しくなりついOKしてしまったんですよね」
そして2度目のお花見デートは5分咲きの桜がとても綺麗だったそう。
「優弥さんの雰囲気が以前とは変わっていたので聞いてみたら、私が前回『もっと明るい色の服が似合うし、ヘアスタイルは短めの方が合っていると思う』と言ったらしく、しっかり改善してきてくれていたんですよ。そんなことを言ったのはすっかり忘れていたのですが」
自分の好みに近づいていた優弥さんの姿と、その柔軟性に千秋さんは好感を抱きました。
「こうやって人の意見を受け止めて変わっていける人こそが、実は大人で器が大きいってことなのかも…と思い始めたらデートがどんどん楽しくなってしまって(笑)」

そして優弥さんに「桜が咲いているうちはいっぱい目に焼き付けようよ。幸せになれるから」と誘われるがままに満開の桜、散りかけの桜吹雪、葉桜まで何度もお花見デートを重ねたそう。
「ふと“桜の季節が終わってしまったら、もうデートには誘ってもらえなくなるのかな?”と考えた時に寂しさを感じ、自分の恋心に気がついたんです。何度も会っているうちに最初は消極的だと感じていた優弥さんの性格が、実は細やかな心配りのできる優しさなんだと分かり、気がついたら私の方からお付き合いしたいと言っていました」