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「台所は腐海と化し冷蔵庫の食材は液状化」鬱が悪化し、ゴミ屋敷で最期を迎えた女性。相続した数千万の行方は?

門外漢(もんがいかん)から見れば、“水面のお告げ”は、そこに何を読み取るか、自分の心と向き合うワークのようなものだろうか。夫婦別室は、安眠という点では個人的に賛成できる。 いちばん困るのは、医療の拒否だろう。

壊れる叔母、荒れる家

50代に入ると叔母は鬱を発症したが、夫と娘に言われて精神科へ通院したものの、「毒だと教えられている」と、服薬を拒否。症状を悪化させ、家庭内では少しでも注意しようものなら泣き叫び、家事は基本放棄していたようだ。家はゴミ屋敷と化していった。 叔母がカルトに20240510年以上かけて状況が悪化していき、ある日首を吊っているところを家族に発見された。 「叔母が自死した後、その夫と娘はさっさと別の土地に引っ越してしまったので、私が屋敷の清掃に行くことになりました。それはもう、凄まじい状態でしたよ。 買い物依存に陥っていたのか、ペットはいないのに動物用のケージがいくつも転がっていたり、開封していない通販の段ボールが山積みになっていたり。台所は腐海と化し、冷蔵庫の食材は液状化。料理が上手できれい好きな人だったのに……と胸が痛くなりました」

立派なお屋敷だったのに

入信してからというもの、叔母が暮らす屋敷は信者たちの集会場所と化していた。麗華さん母の言葉を借りると“カルトの巣窟(そうくつ)”だ。信者たちが集っていたであろう客間と仏間、叔父、姪の個室だけは清潔に保たれていた。 叔母がカルトに202405麗華さんの母は一度一緒に来たものの、実家の変わり果てた惨状を見て寝込んでしまった。 「思い出深い実家を、カルトの巣窟にされた」 「あの家で自死をするなんて」 「立派な屋敷だったのに、ゴミ屋敷にして」 母は「怒りがおさまらない」と、事あるごとに麗華さんに苦しい心情を語る。 麗華さんは「一体どうなぐさめればいいのか、途方に暮れている」と話す。誰もが穏やかに過ごしたいと願う人生の終盤に、そのような思いを抱えることになるとは、ただただ気の毒だとしか言いようがない。
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家族のことでも介入しにくい宗教問題
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自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。「女子SPA!」のお問い合わせフォームより、題名に「沼の話」と入れて、ぜひお気軽にご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
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