
相手を支配したい心理は誰にでもあるのかもしれない。支配というと言葉が強烈すぎるが、「自分の知らない世界をもってほしくない」という気持ちというとわかりやすい。
もう少し広げてそう考えると、それは「モラハラ」のひとつの大きな特徴にもなる。
蒐集癖に限っていえば男性にありがちな趣味だが、それ以外だとたとえば妻が自分の知らない友だちと会うのを極端に嫌う夫はよくいるし、それがDVのひとつでもあることはよく知られている。
つまり、どういう状況であれ、相手の気持ちをコントロールしようとすること自体がモラハラであり、DVになりうるということだ。
相手を好きならば、何もかも知りたい欲求というのはある。恋愛には欠かせない心理だ。つきあいが長くなったり結婚したりする関係なら、相手への希望や要望も出てくるだろう。
だが大事なのは、相手の価値観を尊重する気持ちだ。それがなければ関係は対等ではなくなる。

「相手をコントロールしたいのは、結局、自分に自信がないからでしょうね。元夫がそういう人でした。
新婚当初から私が友だちと会うのを嫌がった。当時は『一緒にいたいから』という理由だったけど、実はそうではなかった。私が自分の世界をもって楽しそうにしているのが気に入らない。
なぜなら私は夫の“所有物”だから。オレの言うとおりにしろというわけです。
支配欲ってエスカレートしていくんです。だから『あれ?』と思うようなことがあったら、これは愛情の証などと思わないできちんと疑って、きちんと自分の意見を言ったほうがいい。
それで怒るような相手なら関係は継続できません。私はうっかり結婚してしまったけど、4年で乳飲み子を抱えて夫から逃げました」(30代女性)
支配欲はエスカレートして妄想となり、人をモンスターに変えていく。相手に支配の芽が見えたら、まずは摘むために話し合うしかないのかもしれない。
<文/亀山早苗>