
とはいえ、“ソーセージ”さえ出てこなければ、おもしろくて優しい彼……。京子さんは別れる決心がつきません。
そんなモヤモヤに蹴りがつくことになったのも、やはり“ソーセージ”でした。交際から4カ月ほどの出来事だったといいます。
「その日、私は彼とホテルに行く約束をしていたのですが、直前で生理がきてしまったので、ご飯デートに変更してもらったんです」
すると彼は「ホットドッグが食べたい」と言い出し、ファストフード店へ。京子さんはまた下ネタを言われてしまうのを避けるべく、ハンバーガーを注文しました。
しかしそんな抵抗も虚しく、彼は自分でホットドッグを注文しました。そして、挟まれているソーセージを抜き取って京子さんに渡し、「これを色っぽく食べてみて」とおねだりしてきたのです。

「そういうの嫌いだって言ったよね?」と京子さんが話しても、彼は「だって、今日はするはずだったじゃん? 京子の都合でできなかったんだから、これくらいしてくれてもよくない?」と悪びれる様子はゼロ。
「彼は『別に、本物を舐めろとは言ってないんだし(笑)』と笑っていました。この人といたら、これからもソーセージを見るたびに嫌な気持ちになるし、ほかの食べ物にもあれこれ言われるんだろうなと思ったら、一緒にいるのは無理だと思いました」
彼のひどい態度に堪忍袋の緒が切れた京子さんは「ねえ、嫌だって言ってるじゃん! もう耐えられない。別れるから! バイバイ!」と言い捨て、ひとりで退店。彼が追ってくることはありませんでした。
「負け惜しみか、その後に『お前みたいなババア、こっちからお断りだわ。ああいう冗談くらい受け流せないから結婚できねーんだよw』というLINEが送られてきました」
最後までデリカシーのない男……。京子さんは別れた今も、ソーセージを見ると嫌な気持ちが蘇ってしまうのだとか。
「次は、人間としての私を尊重してくれる人と出会いたい。早くソーセージを見ても彼のことを思い出さなくなりたいです」
<取材・文/古川諭香>
古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:
@yunc24291