義輝は単体でも魅力的ではあるが、他のキャラとの掛け合いも最高。2話冒頭、雑誌記者の神井孝(磯村勇斗)に不用意に接触した心麦に対して
「君、危なっかしい」「行動力、大いに結構」「結構ではあるがやみくもに動きすぎ」と注意。3話では家に真っすぐに帰るように指示した心麦を夜中に街中で見かけると「心麦さん、どうしてここにいるのかな? お家帰る約束は?」と満面の笑みを浮かべて指導する。保護者のようにとがめるシーンが多く、毎度微笑ましい。逆に心麦が義輝を茶化すケースも珍しくなく、
2人の掛け合いはずっと見ていたくなる。
義輝を中心に作られる空気の変化に、登場が待ち遠しくなる
一方、義輝が留置所で友哉と面会する際にはシリアス全開。また心麦に執着する記者・神井と接する時は、冷静ながらも好戦的なバチバチした空気が流れる。
楽しげな空気からどんよりとした重い空気まで義輝を中心に作られており、必然的に義輝が登場する時の期待感が増していく。
義輝の登場が待ち遠しくなり、いろいろなキャラとの絡みも見たくなるし、コミカルな一面も当然見たくさせる。加えて、同じキャラであるにもかかわらず、違和感を与えることなく、コミカルもシリアスもどちらもしっかり空気を作れてしまう松山の演技にやはり驚かされる。
すでに『クジャクのダンス、誰が見た?』が最終回を迎えた時には、義輝ロスが起きることが確定している。それでも、より深いロスを味わうことを覚悟して義輝に注目したい。
<文/望月悠木>