知っていればタオルも受け取らなかったのに、と悔しそうな声で話す佐竹さんは、これ以上ストレスを感じたくないと思い勇気を出して奥さんに話しかけます。

「さすがに『誘われて困っています』とは言えなくて、『この間、お茶に行くって話が出て』と言いました。自分以外の、しかもジムでよく会う人とふたりでお茶とか絶対に止めるだろうと思っていたのですが、さらっと『
あら、それくらい行けばいいじゃない』と返されて……」
夫が女性会員に声をかけていることは知っており、みずから別の女性と食事に行ったエピソードを口にする奥さんの様子に、「普通じゃないですよね」と佐竹さんは声をひそめました。
「それで、『旦那さんはかっこいいし、ほかの人と会われていたら浮気とか心配になりませんか』って言いました。『私だったら別の人とふたりでお茶とか、無理だな』って。これなら私にその気がないことが奥さんにもわかるかなと思ったのですが」
すると、奥さんは「
夫がモテるって、気持ちいいじゃない。私はそれを見ていたいの」と笑顔を浮かべたそうで、それを見た佐竹さんは金輪際仲良くするのはやめようと会話を諦め、その場を離れます。
それからは旦那さんに声をかけられても無視を通し、奥さんとも挨拶だけかわして近づかないようにしたら、いつの間にか誘いはやんでいました。
「怖いですよね、旦那の浮気を放置するってどんな精神なのだろうと思います。もしそれで旦那が別の女性に本気になったら、この人どうするのかなって」