Entertainment

「特攻隊を笑いものにするな」と批判された男が明かす“戦争と笑いの意外な関係”…異色の芸人の覚悟

お笑いコンビ・アップダウンのメンバーである竹森巧さん。彼が現在、ライフワークとして取り組んでいるのが「戦争の歴史を伝える活動」。2024年11月19日には、著書『桜の下で君と 特攻隊の真実を伝えるお笑い芸人の物語』(東京ニュース通信社)を発売し、自身の制作した二人芝居『桜の下で君と』が生まれるまでの過程を綴っています。 アップダウン竹森巧さん_後編後編はお笑い芸人として活動していたアップダウンが、なぜ「戦争」というテーマに取り組んでいるのか。竹森さんに、戦争にまつわる様々な活動とそれに至った理由、そして今後の目標について聞かせてもらいました。 【前半】⇒「番組の“いじり”はイジメだと思ってた」46歳の元吉本芸人が90年代のお笑い業界に思うこと

「笑い」と「戦争」相反するテーマに挑戦する理由

――竹森さんは現在、主にどのような活動をされているのですか? 「お笑いの仕事やアーティストとして歌う仕事は以前と変わらずしています。それ以外には、戦争の歴史を幅広い世代に伝える活動、主に相方との二人芝居や、戦争をテーマにした漫才などを、学校の芸術鑑賞や自治体の催しなどで披露しているんです」 ――「笑い」と「戦争」ともすれば相反するように見えるものですが、これを結び付けたのはなぜでしょうか。 「もともと、エンターテイナーが歴史の語り部をしていたと思うんです。自分たちがその方向で“いけるかどうか”はさておいて……それなら自分たちもやるべきという発想から始まったんです。でも、僕たちのキャリアはお笑い芸人からスタートしているので、そこにお笑いを入れないわけにはいかないよなぁ、と」 アップダウン竹森巧さん_後編――必然といえば、必然ですね。 「僕の人生って、これまで全部流されてきてるんですよね。相方に誘われて、親への反発からこの世界に入り、辞めようと思っていたら歌をやることになって、結果は出たけどそれも疲弊して……。いよいよ本当に辞めようと思った矢先に鹿児島県の知覧特攻平和会館に行ったことで、戦争の歴史に触れることになって、今がある。導かれるって言ったらカッコいいのかもしれないけど、そういうことの連続なんですよ。まさに合縁奇縁といった感覚です」 ――特攻隊の二人芝居だけでなく、アイヌ民族を題材にした音楽劇や長崎原爆を題材にした漫才も作っているとか。 「ちなみに、今は縁あって北方領土の漫才を作っています。2月に完成して好評いただきました」
次のページ 
「特攻隊を笑いものにするな」という批判もあった
1
2
3
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ