――難しい題材にも果敢に挑戦し続けているのですね。
「始めた当時は『やめとけ』って否定されてばかりでしたよ。『そこに触れたら大変だぞ』とか、『批判の対象になる』とか。実際、追求していくうちに『特攻隊を笑いものにするなんてけしからん』と批判されたこともありました」
――その頃と比べて、現在は周囲の反応に変化はありますか?
「ガラッと変わったのは、2024年の11月頃からです。驚くことにそれまでと全く反応が違ってきているんですよ。お客さんも『はぁ……』って反応だったのが、だんだんと他人事ではなく、自分のことのように捉えている方が増えたように思います」

二人芝居「桜の下で君と」より
――ちょうど著書が発売されて、竹森さん自身の説得力が増したのでは?
「僕自身は変わってないんですけどね……。でも、ちょっとずつ合致しているのかもしれないです。僕たちの表現の仕方であったり、社会情勢的な部分も含めて」
戦争反対だけじゃない。同じ「人間」として生きていたはず
――著書『桜の下で君と』を通じて、竹森さんが最も伝えたいことは何でしょうか?
「『戦争反対』『平和が大事』などではなく、不測の事態はこれからも起こりうるので、そのとき先人がこうやって未来を育んできたのだと知れば、これからの参考にもなります。それを伝えていきたい。こういった事実があることを忘れるなと主張したいわけではないんです。先人の生き方を知れば勇気が湧き、それが力になるんじゃないかな?と思っています。少なくとも、僕はこの活動をすることで力が湧きました」

二人芝居「桜の下で君と」より
――戦争の記憶や記録は、現代では遠ざけられる傾向にあるようにも感じます。
「仕方がないことかもしれませんし、それを嘆いてもしょうがない。でも、これからも僕はその時代を『想像してみよう』をテーマに二人芝居も漫才もやっていくつもりです。
あの当時の人たちは、自分たちとは感覚が違うところもあると思います。でも同じ人間ですし、そこにはきっと現代と同じように日常の笑いがあったはずなんです。だから『戦争時の日常』を笑いにしてもいいよな、と思うんですよ」