「2027年大河ドラマ」主演に抜擢された36歳俳優に期待できるワケ。過去作の“ぐうたらキャラ”も
コンパクトに整頓された人物像
同作の主人公・御上孝は、文部科学省から有名私立高校・隣徳学院の高校教師として派遣されてきた。主任教師・溝端完(迫田孝也)に、御上が「官僚はいつ何時何を聞かれてもすぐにデータを出せないと無能呼ばわりされる悲しい仕事なんです」と涼しい顔で嫌味な説明をするように、スマートな情報処理能力によって、彼は教育現場をアップデートどころか、根底から改革しようと心に決めている。 会話のテンポはすこぶる早く、隙がない。いつでもタブレットを片手に、その場に必要なレファレンスを即座に取り出せる状態にある。溝端のような旧来型の教師からすると、下らない思惑や慣例が通じない相手である。 かといって高圧的なわけでもない。知識をひけらかす感があるにはあるが、嫌らしいわけでもない。あらゆることに興味があり、誰も知らないような動物の話題をさっとタブレットに出して、ほとんど一方的だが、簡潔な解説を披露する。私生活もよくわからないが、食事は霞ヶ関のいきつけで中華屋か夜はコンビニ弁当。すべてがコンパクトに整頓された人物像である。
俳優としてのセルフイメージが明確
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