ちょうどこのころ、半ば強引に彼氏の実家に連れて行かれたそうですが、彼氏の母親から資産状況をたずねる質問を繰り返し聞かれ、これには香織さんもア然。
あげくの果てには、「なんなら婿養子に貰ってくれてもいいから」となぜか上から目線で言われたそうです。
「このときの彼とお義母さんの目は$マークに見えて、それが本当にイヤでこの人たちと家族になるのは絶対無理だと思いました。それで別れることを決意しました」

写真はイメージです。(以下同じ)
ただし、簡単に別れるのは難しいと判断した彼女は一計を案じます。それは実家の会社が経営危機におちいっているというデマを彼氏に伝え、向こうから別れを切り出させるというものでした。
「わざと思い詰めた顔をして『お父さんの会社、ヤバいみたいなの』と言った瞬間、彼の顔色が代わったのを見逃しませんでした。
案の定、それからしばらくして彼のほうから別れをしてきたんです。あのときは心の中でヨシッ!ってガッツポーズをしましたね(笑)」
それからしばらくして彼女は転職。住んでいたマンションも引き払い、電話番号やアドレスなども変えて連絡を絶ち、一切向こうから連絡が取れない状態にしたといいます。
「実際に後でひどい目に遭うことはなかったですけど、何かあってからだと取り返しがつかないじゃないですか。それに転職も考えていたし、ちょうどいいかなって」

その後、彼女は29歳のときに結婚。相手は幼なじみだったので実家のことを隠す必要もなく、「そこはすごくラクでした」と彼女。
「あの彼も最初は普通に優しい人だったのに。それがあんな風に変わっちゃうわけだし、お金の怖さを身をもって知りました」
そうだとしても恋人がお金持ちだと知った途端にタカろうとするなんて言語道断。仮に自分が裕福ではなかったとしてもこんな男性は絶対に勘弁したいものです。
<文/トシタカマサ イラスト/カツオ>
トシタカマサ
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。