
川原卓巳さん
捨てる、捨てないの基準。それは、ときめくか、ときめかないか。
現代人は「ときめきセンサー」が鈍(にぶ)っていると本書。
心が求めているというよりは、効果があるかないか、あるいは流行りかそうじゃないか。自分の気持ちを無視したところで判断している、それが当然の世の中です。
自分という個が、自分でも感じられないような、誰かの人生をなぞっているような違和感。これを解消してときめきセンサーを復活させるのに、片づけが一役買ってくれます。
モノに実際にさわって「ときめくか、ときめかないか」を判断。直感による一瞬のジャッジです。
直感のあとに出てくる「でもこれは高価だったし」とか「お世話になった人からいただいたから」など、余計な思考は無視します。肝心なのはあなた自身がときめくか、ときめかないか。
この作業を繰り返していくと、人生で本当に大切なモノやコトは何なのか、わかってくるのです。
自分にとってのときめきは、人間関係にも活用すべきと本書。
仕事の付き合いをときめきで決めていいのか、と疑問視する方もいるでしょう。とはいえ、ときめきにも様々な形があり、尊敬や特異性がときめきにつながることもあるかもしれません。
SNSやネットニュースなどの余計な情報を遠ざけ、本書が目指すべき人は「ほどよい人でなし」。
超絶いい人はもうやめましょう。本書いわく、「ほどよい人でなし」でいるのが、とてもうまいのが近藤麻理恵さんです。
メールやチャットツールでも必要最低限の返信しかせず、半年以上放置したりするのだとか。最初は慣れないかもしれませんが、ときめきを優先した結果、生活にはときめきしか存在しなくなります。
要らないモノ、コト、そして人間関係に執着していたのは自分だけかもしれない。そんな気づきにハッとする日がくるかもしれませんね。