――與那嶺さんがテレビで活躍し始めたきっかけは?
與那嶺:転職してすぐに、お店に問い合わせがあったんですよ。「芸能人に激痛の足つぼをしてくれませんか」って。
テレビに出演し始めて25年以上経ちますが、僕がやることは今も昔も変わりません。バラエティ番組の足つぼは、ビリビリ椅子といっしょで、芸能人のリアクションを引き出す道具のひとつなんですね。
――25年以上もテレビで活躍し続けているのは、與那嶺さんが番組スタッフや共演者の期待に応えているからだと思います。心がけていることはありますか?
與那嶺:「今回の企画では何を求めているのか」というのは、常に考えるようにしていますが、これはお客さんへの施術に対する考え方と変わりません。
お客さんはなぜ足つぼを受けにきたのか。目の前の相手のニーズに応えるという意味では、足つぼの施術も番組への出演も同じだと考えています。足の奥にアプローチしてしっかりほぐすので通常の施術でも痛みを伴うことはありますが、テレビ出演の際に「激痛」が求められるようでしたら、できる限り期待に応えます。
――與那嶺さんといえば、出川さんとのコンビも印象的です。
與那嶺:出川さんとは、僕がテレビに出演し始めた頃からの付き合いになりますが、出川さんの存在にはとても感謝しています。出川さんは、リアクションに対してとにかく真剣なんですよ。こちらが遠慮をして刺激を弱くすると、お叱りを受けるんです。「ちゃんとやってくれないと汗が出ないし、リアクションも取りにくい。だから全力できてくれ」って(笑)。
――さすがリアクション芸人の第一人者……。
與那嶺:出川さんとの共演は非常に勉強になりました。アドリブへの対応力もずいぶん鍛えられましたしね。
足つぼで悶絶した出川さんが僕に攻撃を仕掛けてきて、僕が避けるというコンビ芸も、実は出川さんのアドリブから生まれました。事前の打ち合わせは一切なし。でも、お互い真剣で、僕がしっかり対応できたからこそ、出川さんの信頼に繋がったと思います。
「足つぼなら與那嶺」とオファーをいただくことも多くて、出川さんに引き上げてもらったといっても過言ではありません。僕の恩人です。