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アウトレットのフードコートで“39歳おひとり様”の私に沸き上がった“まさかの感情”とは

アウトレットのフードコートで周囲を見渡すと

寿司

お一人様外食には慣れている私(今回のフードコートの写真ではありません)

 1分1秒を自分の責任のみで決められる気ままさ。フリーランスとして自分で稼ぎ、そして自分の生活を自分で律するこのスタイルに関しては、そういう生き方は楽しそうだと思う人もいれば、とんでもなく無責任で末恐ろしく、絶対にそんな生き方はしたくないという方ももちろんいらっしゃるでしょう。  ここしばらくとにかくがむしゃらに、人生の1分1秒たりとも無駄にするものかと過ごしてきた私でしたが、久々にのんびりと買い物をし、お金を使い、そして自分のタイミングでラーメンを食べるという開放感に満たされていても良い瞬間であるにもかかわらず、私の胸の中によぎったのは、なんだか寂しい、切ないという感情。  なんてわがままなんでしょう。  誰からも怒られず、誰にも気兼ねすることのない現実は、裏を返せば誰からも心配されない自分であるということ。  アウトレットのフードコートを見渡せば、ご夫婦とおぼしきカップルが向かい合ってカレーを食べていたり。一人が料理をとりに行けば、もう一人はその場に留まり荷物を見張り、席取りをする。あたり前の行為ですが、そこはかとない一体感や、絶妙なバディ感が二人の周りには漂っているわけです。  私は一人だから誰も荷物を見ていてくれない!!  おちおちお手洗いにも行けないわけです。

ふと胸をよぎった“寂しさ”

 人間は、あるものよりも、ないものを数えてしまいがちですが、自由気ままなおひとり様の日常がある一方で、バディがいない自分ってちょっと寂しいかもと、これまで感じなかった想いが胸をよぎったのでした。  この話を仲良しにしたところ、 「あのね、アウトレットって8割の人が家族や友達や恋人と行くところだから?! アウトレットのフードコートはアラフォー、お一人様にはかなりハードル高いよ?!」と普通に厳重注意を受けました。  あ。そう? やっぱり?  とにかく。  誰にも何にも気兼ねしない人生を気に入ってはいるけど、時折誰かに何かを心配されたり口出しされたくなるというジレンマ。  本当人間って(私って)勝手ね。 <文/アンヌ遙香>
アンヌ遙香
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道札幌出身、在住。現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。北海道大学大学院博士後期課程在籍中。文筆家。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram: @aromatherapyanne
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