夫の死を願う妻、女郎屋の女将…「43歳の安達祐実」が“ゾーンに入っている”と言えるワケ
ゾーンに入った安達祐実
ドラマ間の連動で狂気は補強される
『夫よ、死んでくれないか』第2話で、いつもの愚痴会帰りの麻矢が、ある女性(松下由樹)とすれ違って話しかけられる場面がある。その女性は麻矢を知り合いと勘違いして「レイナ?」と声をかけるのである。 「レイナ」とは、松下が狂乱のマネージャー役を演じるドラマ『ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~』(以下、『ディアマイベイビー』)に登場するアーティストの名前である。松下由樹演じる敏腕芸能マネージャーが、育て上げた国民的女優・垣内麗奈(安達祐実)から裏切られたという因縁の関係性がある。 同作第1話冒頭、芸能事務所の場面で、麗奈がその場から微動だにせず、静かに捲し立てる表情が強烈である。場面途中で片足一歩だけ近寄る画面上、目元と口元にぴりりと辛い狂気が一瞬浮かぶ。 『夫よ、死んでくれないか』と『ディアマイベイビー』で安達が演じる役柄は違うとはいえ、『夫よ、死んでくれないか』にやや唐突に松下由樹を登場させ、ドラマ間の連動で狂気は補強されるのである。 <文/加賀谷健>
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