──活動を再開したきっかけは何だったのでしょうか?
努:2011年に岡部さんが、2017年に井出さんが亡くなりました。すると、遺族がお二人の原画、造形物などの遺品をたくさん送ってくださったのです。それらを整理しているうちに、私たちは「ただ保管しておくのはもったいない」という気持ちになってきたんですね。
2021年に、不定期出演していた『ワンワンパッコロ!キャラともワールド』が放送終了し、新型コロナウイルスが猛威を振るい始めると、3人が表に出る機会はなくなってしまいました。けれども、3人のこれまでの活動の証は手元にたくさんある。これらを見せたら、ファンの皆さんに喜んでもらえるのではと思い、当会社内でイベントを開催したことがきっかけです。

岡部久義氏による原画『おほしさまに腰かけて』 ©jpp/NEP
──どんなイベントだったのでしょうか。
努:2021年11月に原画やおもちゃなどを展示した「スタジオじゃぴぽのひみつきち」を初めて開催しました。その際に私たちスタッフが、会社のロゴが入ったTシャツを着ていたんです。すると、来てくださったファンの方々から購入を希望する声がありまして、それに応える形でグッズ製作を始めました。そして、作ったグッズを対面販売した、「『にこにこ、ぷん』のおみせやさん」を2024年3月に初開催しました。
日向:作り始めた頃は、丹沢湖の流木をもらってきて削り、そこにスタッフが夜なべしながら3人の焼き印を押し、キーホルダーを手作りしたこともありましたね。ちなみに、そのキーホルダーは「3人がにこにこ島の木を削って手作りした」というイメージで作っています。

ファンの声によって生まれた『にこにこ、ぷん』のグッズ ©jpp/NEP
努:そこで販売したパーカー、トートバッグ、ハンドタオルなどのグッズが思っていた以上に人気でして、あっという間に売り切れてしまいました。求めてくださるファンがいるなら、もっといろいろ作ってみよう。そう思って、来ていただいた方からの声を聞いて、グッズのバリエーションを増やしています。
「スタジオじゃぴぽのひみつきち」「にこにこ、ぷんのおみせやさん」も初開催以降、今も不定期で開催しています。まるで3人が運営する学園祭のような規模と手作り感で実施しているので、ファンの皆さんとの距離が近く、『にこにこ、ぷん』への思いを直接聞けるのがいいですね。この距離じゃないとわからない反応がたくさんあるからこそ、これらのイベントはこれからも大切にしていきたいです。
【後編を読む】⇒
号泣して抱きつく大人も!昭和を思い出させてくれる“みんな大好きな3人”は「欠点があるからこそ魅力的」