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「深く深く失望…」監督からの“ヌード強要”を告発した元女優が明かした“まさかの事実”

被害者の声が黙殺されない社会になってきた

 本件は、望まないヌード強要が撮影現場で行われていたという、個人の人権をないがしろにした、大きな問題である。A子さんがnoteに「これが性被害を受けるということなのです」と断言したこと、「社会全体における性加害への認識が甘く、加害者が罪を認識していないという問題」とつづったことも、とても重い。  なお、A子さんは6月6日に公開した新たなnoteに「10年前には黙認されていたことが、今でははっきりと、いけないこととして世の中に認知されている」「10年前には黙殺されていた被害者の声が世の中に届くようになった、被害者が声を挙げられる世の中になった」「次の被害を生まない社会に近付いているのではないかと思います」「それこそが私が望んでいたことであり、2022年に記事を書いた動機であり目的でしたので、わたしのした事に意味はあったのだと思うこともできましょう」と記している。  その言葉通り、昨今でさまざまな性加害の問題が明るみに出て、被害者が声をあげられるようになったことは社会の大きな変化であり、A子さんの告発もそのひとつだろう。  その上で、『時には懺悔を』の製作委員会が「今後も決して同様のことが起きないよう万全の対策を取るべき」という言葉通りの対応をするのであれば、さらなる性加害やハラスメントを防ぐための大きな変化へと繋がるという希望がある。だが、現状で発表されている情報では、それにはほど遠いと言わざるを得ない。

過去作品にも疑惑。徹底した調査と検証が必要

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 また、2006年公開の『嫌われ松子の一生』では、中島監督からの主演の中谷美紀さんへのパワハラが問題視されている。中谷さんは2015年放送の『A-Studio』(TBSテレビ)で、中島監督から怒鳴られ続け、「辞めろ」「殺してやる」などと毎日言われていたため涙が止まらなくなり撮影を放棄したこともあった、睡眠時間が1日1時間の日が続いていたことも明かしていた。  さらには『告白』制作中の2009年に、22歳の制作進行スタッフが撮影現場からスタジオまで制作トラックを運転して帰る途中での事故で亡くなっている。その亡くなったスタッフの、映画専門学校時代の友人を名乗る映画関係者は、2015年にブログで事故の原因は過労によるものであろうとつづっている。『渇き。』での問題だけではなく、これらにも十分な調査と検証をしていただきたい。
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『時には懺悔を』試写を鑑賞して
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