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大人気子ども番組キャラの“声”までこなす45歳俳優の凄まじい表現力。『情熱大陸』で見せた横顔が物語るのは

20年近く経てあえて高音を駆使する

『のだめカンタービレ』全編で使われるクラシック音楽とともに随所で際立つ響きがある。上野樹里演じるピアノ科の天才・野田恵から追い回される千秋真一(玉木宏)が「ヒィィィ!」と悲鳴のような声をあげるリアクションである。  洗い上げられたように白いYシャツと精悍なジャケットスタイルで、洗練されたクールを極める千秋だが、この悲鳴が不思議と愛されるチャームポイントとなっていた。同作中、玉木宏のクールでユーモラスな表現力が絶妙に際立つ、このリアクション。  同作出演時、玉木は26歳だった。それから20年近く経て、新たに声を吹き込む様子が『情熱大陸』で描かれていた。深い低音が魅力の玉木が、裏声の「ヒィィィ!」同様に、あえて高音を駆使するのである。

体当たり仕事もやっていた22歳

『世界サブカルチャー史 欲望の系譜』(NHK)のナレーションや『ジュラシック・ワールド』(2015年)主人公の吹き替えなど、声の仕事も多い玉木が、収録ブースで画面を見ながら高音で声をあてるのは、テレビ東京で子ども向け番組として放送されている『シナぷしゅ』に登場するタオルの妖精・にゅうである。玉木が声を吹き込むにゅうは、台詞があるわけじゃない。 ただ「ニュウニュウニュウ」とひたすら発する。それでもシチュエーションに合わせて微妙に調整してみる。その中で、低音寄りの「ニュウ」など、ひとつの「ニュウ」でも、玉木が発するとバリエーションは意外と豊富になる。 現在45歳の玉木は「ニュウ」だけでも表現を極めてしまう。『情熱大陸』では『のだめカンタービレ』以前の出演作として『ウォーターボーイズ』(2001年)など、まだアルバイトをしていた20代前半時代の遍歴を紹介していた。  22歳のときに出演した『世界ウルルン滞在記』(TBS系)では、エチオピアのコンソ族の前で全裸になるという芸人並みの体当たり仕事なんかもやっていた。今や、高音から低音までの「ニュウ」だろうとなんだろうと、挑戦できるのが現在の滋味深い表現性である。 <文/加賀谷健>
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情熱大陸に出演した玉木宏
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