疲労を感じない運動だと、健康やダイエットの効果は少ないのでは? と私はつい疑ってしまいました。
でも同書によると、「走ると最大酸素摂取量がだんだんと増え、血行も良くなり各臓器もいきいきとして、安静時消費カロリーも増える」そうなんです。走る習慣で体が軽くなれば、筋肉がついて、自ずと活動的になるのです。運運動と同時に食事をみなおすことで、自然とダイエット効果が出てくるそう。
講師の松田拓朗先生よると、特に、一見太っていない人の「隠れ肥満」には効果的だとか。標準体重なのに体脂肪率が高く、お腹や太ももがボヨボヨした「隠れ肥満」の人は、筋肉をつけることで締まってくるのです。
運動や筋トレの必要性を迫られながらも、自分に合った方法がわからない、時間がない、といった理由であきらめてしまう方も多いです。まきさんも、そんなひとりだったのです。
スロージョギングを取り入れてから、まきさんの生活は豊かになりました。仕事や家事の合間に、週に2、3度、1~2㎞スロージョギング。じょじょに体力がアップしてくると、純粋な欲がわいてきます。そう、マラソン大会出場!
エントリーしたのは7㎞の部。ここまで順調に進んできたまきさんですが、7㎞完走の道はいかに?
年齢やメンタルの壁にプチ挫折しながらも、その先にある爽快感を知っているから、まきさんは今日も走ります。読み終えたあと、必ずゆるっと走り出したくなる、そんな前向きな一冊です。
<文/森美樹>
森美樹
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『
主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『
母親病』(新潮社)、『
神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。
X:@morimikixxx