今できる対策をしたい私と「産まれてみないとわからない」と言う夫
しかし今回は、妊娠がわかったその日に夫自ら「半年間育休を取る」と申し出があった(後日会社に育休の申請に行ったところ「普通は半年ではなく1年間取るんだよ」と上司に言われ、1年間取れることになったホワイト企業)。私の両親にビデオ通話で妊娠を報告した際も、「前妻との子のときできなかったことを今回はきちんとやろうと思っています」と言っていた。
まだ育児知識は浅いが、今回は戦力になれるよう夫なりに取り組んでいるつもりのようだ。私は発達障害の特性に起因する二次障害の睡眠障害がある。産まれてすぐは3時間おきの授乳が必要なため、ただでさえ眠れない。そこで、育休を取っている夫に授乳をしてもらい、その間睡眠時間を確保できるよう、子のミルク拒否や哺乳瓶拒否がなければ完全ミルク育児にしたいと思っている。
定型発達の人(発達障害をもたない人)に比べると、私にはハンデがある。そのためには事前知識をつけてあらかじめ対策をしておこうと、ネットや育児書を読みあさったり子育て中の友人に聞いたりと、綿密に準備していた。
夫からは「産まれてみないとどんな子かわからないんだから、今そんなに調べなくてもいいんじゃない? なんでそんなにイケイケになってんの? 前妻との子は上の子は手がかかったけど下の子はそこまで手がかからなかったし」と言われた。
それでも不安だ。今できることをやろうと、29週のときに入院バッグを用意した。しかし、病院が用意してくれるものが多く、自分で持って行くものが思いのほか少なくてすぐに終わった。足りないものが出てきたとしても、病院内のコンビニにすべてそろっているため、もしものときは入院してから買えばいい。

からっと気持ちよく晴れた日、ベビー服の水通しも行った。小さすぎる服をベビーハンガーに干していると、手のひらに乗るサイズしかない。こんなに小さい服を赤ちゃんに着せるのかと思うと、いよいよ出産の実感がわいてきた。
出産経験のある友人に会ったりLINEをしたりしていると、ある友人からは「育児書は参考程度にしたほうがいいよ。私の場合は授乳回数も子の睡眠時間も育児書とは全然違ってすごく悩んだから」と言われ、はっとした。
私は自分の発達特性ばかり気にかかり、生真面目に調べ過ぎている。ネットや本の情報を全部鵜呑みにしてしまうと、赤ちゃんが自分の知っている情報とは違う行動をしたときパニックに陥ってしまいそうだ。
発達特性を持ちながら育児をしている友人ともランチをした。その友人はASD(自閉スペクトラム症)の診断がおりており、私と同じく想定外の妊娠をしていた。しかし、産んでみると意外と育児に向いていたそうでワンオペもキツくなかったという。私はADHDで友人はASDなので特性は違う部分も多いため私も向いているとは限らないが、発達障害だから育児が難しいとは言い切れないことがわかった。
ただ、産まれてみないとわからないことも多いため、自分の育児がどうなるのかは不安だらけだ。