悟史さんに聞くと、加奈子さんからの着信は一度もなく、メッセージも遅れてまとめて届いていました。悟史さんも加奈子さんに何度も電話をしたそうですが、毎回ブツッと切れてしまったそう。

「悟史は『多分そんなのたまたまだよ。
加奈子けっこう酔ってたし、トイレの中でウトウトしちゃったんじゃない? 夢だよきっと』と、私がどれだけ怖い思いをしたかいくら説明してもちゃんと聞いてくれなくて。結局そのまま大喧嘩になってしまったんですよ」
加奈子さんはただ「本当に怖い思いをして大変だったね」と労ってほしかったし、100歩譲ってたとえ夢だったとしても、親身になって話を聞いてほしいと思いました。
「これからも何か説明のつかない出来事や、悟史にとって解せないことが起こった時に、こうやってなあなあにされるのかと思ったら耐えられなくて。結局別れてしまったんですよね」
悟史さんは心霊やオカルト的な現象をまるで信じておらずむしろ毛嫌いしていたため、激しく衝突してしまったのだそう。
「私もそこまで心霊現象を信じる方ではなかったのですが、あの経験はちょっと、ただの偶然では片付けられなくて。真実を知るのが怖くてあの公園とトイレのことを検索することすらできずにいるんですよ」とため息をつく加奈子さんなのでした。
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<文・イラスト/鈴木詩子>
鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
@skippop