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36歳LDH俳優のロン毛姿は“胡散臭さ”に注目。「見慣れない」の声もあるけど…実は過去作でも

 岩田剛典主演ドラマ『DOCTOR PRICE』(日本テレビ系)が、毎週日曜日よる10時30分から放送されている。朝日放送テレビ・テレビ朝日系で放送された1月期ドラマ『フォレスト』での主演を軽々更新してくる要素、それは……。
『DOCTOR PRICE』(読売テレビ)公式サイトより

『DOCTOR PRICE』(読売テレビ)公式サイトより

 岩田が演じる主人公・鳴木金成役のロングヘアーである。『新解釈・三國志』(2020年)を端緒として福田雄一監督作品に出演するときは必ずロングヘアーである岩田は、作品を重ねるごとにケレンみあふれるロングヘアーの魅力を磨いている。  男性俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、鳴木役のロングヘアーに注目しながら、本作の岩田剛典について解説する。

“元医者”になるまでの明確な違い

 岩田剛典が医者役を演じるのは、2019年に放送された月9ドラマ『シャーロック』(フジテレビ系)と本作『DOCTOR PRICE』を合わせて2度目ということになる。  正確には『シャーロック』若宮潤一役も『DOCTOR PRICE』鳴木金成役も“元医者”である。ディーン・フジオカ演じる名探偵・誉獅子雄によって過去の不正が暴かれ元医者になった前者の若宮に対して、後者の鳴木は自主退職によって元医者になる。  この明確な違いが重要である。前者が約70分、第1話全編の尺を要したのに対して、後者は第1話開始6分ほどでささっとしなやかに元医者になってみせる手際のよさがある。その手際がどんなふうにしなやかだったか?

しなやかなモップを媒介にして

 物語導入場面として置かれる3年前、鳴木は極東大学病院の小児科医だった。パワハラ准教授・馬場秀平(濱津隆之)から新米医者の葛葉圭祐(阿部顕嵐)が暴力を受けている冒頭場面。鳴木が颯爽と登場する。彼は上司の暴力行為に対して、何を考えたのか、手にしたモップで対抗する。  モップを手にしてバッティングフォームで構え、馬場めがけてきれいなスイング。モップの持ち手が強く命中して馬場はゴミ箱の方がドカッと倒れ込む。何だこの展開。モップのスイング感が痛快そのものだが、何でモップなのか謎すぎる。  葛葉が呆気にとられている中、鳴木は構えを解かずに「うん、スイングは鈍っていない」と冷静に分析するように言う。元野球部なの?  それにしても鳴木がスイングしたこのモップはやたらしなやかな道具だな。というか野球のバットにしか見えないよ。元野球部(?)の医者・鳴木金成はそうやってしなるモップを媒介にして彼自身もまたしなやかな振る舞いを遂行するキャラクター像であるということがあざやかに導きだされる。
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胡散臭いロングヘアーの魅力
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