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「うちの子だけオムツが外れてない…」周りと比べて苦しみ続けたシングルマザー。救ってくれたのは“思いがけない出会い”だった

収入が減るのを覚悟で、パート勤務に切り替えた

 シングルマザーにとって、経済的な安定は死活問題です。  お子さんが発達障害の診断を受けてからも、凪さんはフルタイム勤務で家計を支えていました。しかし、娘さんが小学校に進学するタイミングで働き方を見直し、パート勤務に切り替えました。 凪倫子さん「もちろん、収入が減るのは困るんです。でも、学校行事や子どもの体調不良でたびたび休んで、その都度周りへ迷惑をかけてしまうのが申し訳なくて」  凪さんが休むことで仕事を変わってくれた同僚から責められた経験はなかったのですが、いつも申し訳ないと感じていました。 「パートなら、休む理由をそこまで説明しなくてもいいですし、子どもと一緒にいる時間を確保できる。それが今の私には必要だと判断したんです」

普通学級か支援学級か? 選択を迫られる

 小学校入学前、自治体の就学説明会に参加した凪さんは、学区内の小学校で教員と面談をしました。  その中で問われたのが「普通学級と支援学級、どちらを希望されますか?」という選択です。支援学級とは、発達や学習に特性のある子どもが、少人数で個別の支援を受けながら学べる学級のことです。通常の学級と同じ学校内に設置されており、教科学習の一部を普通学級で受ける「交流授業」もあります。 「本当は普通学級に通わせたい気持ちがありました。でも、普通学級でついていけず、孤立してしまう子どもの姿を想像すると、それは避けたいと思いました
小学校

写真はイメージです

 最終的に支援学級を選んだ理由について、凪さんはこう語ります。 「親の私は、子どもより先に死にます。だったら、早めにサポートがある環境に慣れて、自立できるよう準備しておいた方がいいと考えました」  凪さんはシェアハウスで暮らす中で、住人や入居見学に来た人にも子どもの状態を正直に伝えていました。周囲の理解を得られたことで、お子さんも安心して生活できたといいます。
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わが子を誰かと比べる苦しみが、消えたきっかけ
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