凪さんには、お子さんが発達障害と診断されてから初めて知ったことがたくさんありました。
「以前は、児童相談所といえば児童虐待に対応する機関というイメージだったのですが、子どもの発達障害の支援もおこなっている機関なのだと知りました」

子どもの支援学級にも定員があり、希望しても必ずしも入れるとは限りません。特別支援教育には、以下の3つの形態があります。
1. 特別支援学校
障害の程度が重く、通常の学校での学習が難しい子どもが通う学校。盲学校、聾学校、養護学校なども含む。
2. 特別支援学級(略して「支援学級」)
通常の小中学校に設置されており、特別な支援の必要な子どもが在籍。担任が配置され、原則少人数で学習。教科や活動に応じて通常学級との交流及び共同学習も。
3. 通級による指導(通級指導教室)
通常の学級に在籍しつつ、週に数回、必要な教科や時間のみ特別な指導を受ける形態。軽度の発達障害や情緒障害などを対象とするケースが多い。
「このような選択肢があることも、説明を受けるまで知りませんでした。通級指導教室の通学に付き添うお母さんもいるので、そうなると仕事はできなくなると思います」
凪さんは、固定の特別支援学級がある小学校にお子さんを転校させました。
凪さんが苦しかったのは、自身の思う“普通”にとらわれていたことだったと語ります。
「“普通の育児”ができず、“普通の成長”をしないわが子を周りと比べて、人に相談できなくなっていました。
当時はインスタでつながっている地元の友達の投稿を見ても、苦しくなっていたんです」
そんな凪さんが変わったきっかけが、“推し”との出会いです。凪さんの推しは、俳優の山田裕貴さん。共通の推しでつながる人脈は、プライベートを明かす必要がありません。
推しへの愛で共感しあう繋がりがあることで、他人と比べて落ち込むことも激減しました。
推し活をするうえで情報収集のため、X(旧Twitter)のアカウントを開設した凪さん。生活のキラキラした部分だけを切り取るインスタグラムの世界観と異なり、
Xの中には取り繕わず子育てに悩んでいる愚痴をそのまま投稿する母親が多く、楽になったそうです。
そして「“普通”になるために、背伸びをする必要はない」と気づけるように。
「自治体によっては、支援が多く必要な子どもを対象に泊まりで預かってくれるサービスがあります。私も利用したことがありますし、しんどい時は頼れるサービスは活用して、一人で抱え込まない方がいいと思います」
誰かを頼れるようになったことも自分の成長だと語る凪さんが、印象的でした。
【
凪倫子】
3人の子どもを育てるシングルマザー。文芸社×毎日新聞主催「第7回 人生十人十色大賞」長編部門最優秀賞受賞エッセイ『
36歳、初めて推しができました。』(文芸社)の著者。俳優・山田裕貴さんの“推し活”をきっかけに、生活や気持ちが前向きに変化した体験を配信中。
X:
@rinco_run2
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<取材・文/菊乃>
菊乃
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:
@koakumamt