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ウォーキングの新発見!骨から分泌されるホルモンの驚きの効果

 ダイエットだけでなく、健康維持のためにもウォーキング(歩行)が体にいいことは誰もが納得することでしょう。でも、最新研究で、ウォーキングによる脚の骨への垂直荷重がさまざまな健康効果をもたらすことがわかってきたのです。 
ウォーキング

(著)稲村崇(京都コンディショニング)

(本記事は、稲村崇監修『痛み・体調不良すべて解消できる 超歩行』より一部を抜粋し、再編集しています) 

骨の形成にも貢献するウォーキング

 ウォーキングが体によいと言われてきたのは、主に「身体活動量の増加」や有酸素運動による「脂肪の減少」、血流や心臓が活性化する「心肺機能の向上」、下半身の筋肉が刺激されることによる「筋力の維持・向上」などが要因でした。さらに、歩くことで「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンなどの神経伝達物質が分泌され、「ストレスの軽減や気分転換」などの効果があるとされていました。 

ウォーキングには、ダイエットや心肺機能の向上、骨を丈夫にするなどの効果がある ※画像はイメージ

 さらに、ウォーキングによる骨への影響として、骨も丈夫になることも大事なポイントです。ウォーキング時に、私たちの体重は重力によって足から地面へと伝わり、その反作用として地面から足へと「垂直荷重」がかかります。この垂直荷重によって骨芽細胞(骨を作る細胞)が活性化され、新しい骨が形成されます。その結果として骨密度の上昇や骨質の改善につながり、高齢女性に多い骨粗しょう症などを防止することができます。   ところが、ここ数年の研究でウォーキングのメリットはこれだけではないことがわかってきました。特に注目されているのが骨芽細胞から分泌される「骨髄ホルモン」です。 

全身の健康に貢献する骨膜ホルモン

 最新研究によると、垂直荷重は骨芽細胞活性化によって骨の形成を促進するだけではなく、骨を覆う骨膜から骨膜ホルモンが分泌されていることがわかってきました。この「骨膜ホルモン」が骨の形成だけでなく、血管、血糖値、認知症、脳の神経細胞をはじめ、全身の様々な臓器に好影響を与え、全身の健康維持に貢献していることがわかってきたのです。  骨膜ホルモンが人体に及ぼす主な効用は以下の通りです。 
ウォーキング

骨髄ホルモンは骨を作るだけでなく、さまざまな健康維持に貢献している

 これ以外にも体内の活性酸素を除去する作用、肝機能の向上などにも効果があると考えられています。活性酸素を除去することによる老化防止、がん予防などのアンチエイジング効果にも大きな期待が寄せられています。   骨膜ホルモンの研究は現在進行中のものが多く、マウス実験などでは効果が出ているものの、人間でも効果があるのかはまだ確定していません。   今後の研究に期待しつつ、ウォーキングによる垂直荷重が骨を丈夫にし、それ以外にも様々な健康効果があることを知っておくことは、日々ウォーキングをする際のモチベーションになるはずです。 【稲村 崇】 京都で20年以上にわたり整体院を運営し、足底筋膜炎や慢性痛に悩む数万人を施術してきた鍼灸師。 東洋医学の知見を融合した独自のケアが評判を呼び、YouTube「足底筋膜炎専門ちゃんねる」は登録者26万人超。 臨床経験に基づいた、再現性の高いセルフケア指導に定評がある。  <文/女子SPA!編集部>
女子SPA!編集部
大人女性のホンネに向き合う!をモットーに日々奮闘しています。メンバーはコチラ。X:@joshispa、Instagram:@joshispa
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