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朝ドラ『あんぱん』25歳俳優の“大胆さと存在感”。きらっと輝く寝落ちシーンに注目

嵩が圧倒される場面

NHK『あんぱん』© NHK 手嶌は編集者と打ち合わせ中(編集者役を味わい深く演じるのが斉藤陽一郎!)。今をときめく偉大な漫画家の会話に聞き耳を立てる嵩は複雑な気持ちになる。まだ漫画家として独立していなければ、代表作もない。  場面は前後して第18週第89回。三星百貨店の自席でデザイン画を描き終えた嵩が引き出しから一冊の漫画を取り出す。漫画のタイトルは『新宝島』。同場面が描く時代は1948年だが、前年に19歳の手塚治虫が発表して大評判だった。  勤め人の自分に対して、大阪大学で医学を学ぶ漫画家の才能に強い嫉妬を抱いてきた。そんな嵩の前に天才が涼しい顔している。第95回で先に店を出ようとした嵩を手嶌が呼び止める。嵩の元まできて、ほどけた靴紐を二重結びにしてくれる。行動までエレガント。嵩はさらに圧倒されるばかり。

初登場と再登場のコントラスト

NHK『あんぱん』© NHK 嵩にとって激しい嫉妬の対象であり、また同時に深く私淑する相手でもある手嶌は、その存在自体がカリスマ的だ。靴紐を結んでやる相手が嵩かどうか知っていたかはわからないが、カリスマの初登場場面にしてはささやか過ぎる気がする。  この場面での手嶌はすでに『鉄腕アトム』の作者としても知られている。ならもっと派手に登場してもいいはずなのに。いやあくまでささやかな初登場でこそ、(第22週第110回で嵩が書いたラジオドラマを手嶌が仕事部屋で聴く2カットを経て)そのあとの再登場がもっときらっと輝く。  第23週第114回、嵩が描いた『週刊漫画』の表紙画に感動した手嶌が、仕事を依頼しようとアパートを訪ねてくる。嵩に代わり、のぶが茶室で応対する中、寝不足の手嶌が寝落ちする。  ちょうど畳一畳分のスペースで大きな身体を横たえる手嶌の大胆さ。畳の上の眞栄田郷敦が魅力的な物体と化すような。ささやかな初登場とこの再登場とのあざやかな対比(コントラスト)をうまく演じているなと思う。 <文/加賀谷健>
加賀谷健
イケメン研究家 / (株)KKミュージック取締役 “イケメン研究家”として大学時代からイケメン俳優に関するコラムを多くの媒体で執筆。アーティストマネジメント、ダイナマイトボートレース等のCM作品やコンサートでのクラシック音楽監修、大手ディベロッパーの映像キャスティング・演出、アジア映画宣伝プロデュースを手掛ける。他に、LDHアーティストのオフィシャルレポート担当や特典映像の聞き手など。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。 X:@1895cu
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