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まるで治外法権?「嫌われ者・西野亮廣」が今テレビで求められる3つの理由。炎上する“いじられ”との境界線

信頼できる関係性で繰り広げられる安心感

ふたつめの「相手との関係性」は、重要です。西野さんも、佐久間さんや吉本の先輩・東野さんのもとで安心して身を委ねているのがわかります。大声で「嫌だ」という意志表明ができる相手(番組)だということも重要で、嫌がっている姿もエンタメとして楽しむことができます。 かつては、関係性もなく雑なイジリをする番組に西野さんが怒って途中退席をしたこともありました。
そんなことがあってもなお、西野さんイジリの番組があるということは、現在放映されているいじられ企画は西野さん自身、きちんと線引きをしながら、心を許す制作者や出演者のもとでうま味を感じながらやっているということなのでしょう。

いじられても許される存在感と才能

そして、3つ目の「成功者」か否か。じつはこれが一番重要なのかもしれません。味方が少ない人、立場が低い人に対してのいじりは、ただの弱いものいじめとなります。 西野さんは絵本『えんとつ町のプペル』では78万部突破、映画『えんとつ町のプペル』では日本アカデミー賞優秀アニメーション賞受賞などの輝かしい実績を持つ自他ともに認める成功者です。
『えんとつ町のプペル』(幻冬舎)

『えんとつ町のプペル』(幻冬舎)

同じ理由で、品川庄司の品川さんも監督業が順調で、業界からの評価も高い勝ち組です。彼もまた、西野さんと並び、過剰なイジリが許される稀有な存在として異質な立ち位置を保っています。 これからも西野さん、そして品川さんは、いじられ芸人としてお茶の間を楽しませてくれるでしょう。ただ、この「いじられても許される存在感と才能」は、彼らだけのものであることを、私たち視聴者は理解しておかければなりません。 <文/小政りょう>
小政りょう
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦
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