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地元に出戻って1年半、かつての清貧さはどこへ…洋服も食材も買いすぎて溢れそう!→「買わない生活」で起きた3つの変化

 2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(40歳・以前は小林悠として活動)。
アンヌ遙香

アンヌ遙香さん

 TBS退社から8年経った今年、紆余曲折を経て20年生活した東京を後にして活動拠点を故郷北海道に戻したアンヌさん。アラフォーにして再スタートを切った「出戻り先」でのシングルライフの様子や心境をつづる連載です。 【過去記事】⇒連載「アンヌ遙香の北海道シングルライフ」を読む  第57回となる今回は、「ものを買わないこと」を意識しておきた変化についてつづります(以下、アンヌさんの寄稿です)。

札幌に戻ってきて1年半、かつての清貧さは…

 自分の中で、ものを買わないキャンペーンなるものを実証実験中。なぜこんなことを始めたかと言うと……。  故郷札幌に拠点を戻して、およそ1年半。実家の使われていなかった部屋を大掃除し、大金をかけて粗大ゴミの撤去までし、亡き祖母が残していった炊飯器やらレンジやらを大事に使わせてもらいながら当初はすっきりとした生活を送っていた私。  ゴールデンレトリバーの愛犬リリーの将来のことも考え、自分の欲は二の次。とにかくまずは貯金貯金! と昨年はあまり洋服すら買うことがなかったのです。ああ、清貧だった。あのころの自分はどこに行ってしまったのか。あれから1年半。  クローゼットは洋服でパンパンになり、スカスカだったはずの冷凍庫は扉を開ければ使いかけの唐揚げが降ってくる。ないと思って買ってきた生姜チューブは戸棚を開ければ2本も発掘されるという有様。

このままじゃ、ものに食いつぶされる

アンヌ遙香 仕事がコンスタントにあり、お金をいただき、そこから自分の生活に必要なものや好きなものを手に入れるという行為は本当にありがたく尊いこと。人間としての営みを送る上である程度必要なものだと思いますが、それにしても自分やりすぎでは?! と戦慄。  最後の一押しは、最近お店で一目惚れして購入したふわふわの茶色いセーター、まったく同じようなものが自宅にあったという衝撃の出来事。このままじゃ、ものに食いつぶされる! ということで、自分の中でいくつかルールをつくりました。 ①1か月以内に引っ越しをするぐらいのつもりで、とにかくものを減らすことにフォーカスをする ②食べ物に関しても今ある調味料などをうまく使い切るつもりで、余計なものを買いたさない ③冷凍庫、冷蔵庫にあるものをとにかく使い切る ④どうしても必要なものが出てきた場合は、まず家の中を見渡して、何かで代用できないかを考える。 ⑤物欲が刺激されそうなところには行かない  というもの。

ものを減らし、増やさないことを意識したらおきた変化

アンヌ遙香 仕事帰り、ついつい大好きな北海道のコンビニ、セイコーマートに寄っておいしいホットシェフ(店内調理のできたてのお惣菜コーナー)の豚丼やおにぎりを買ってしまうのをしばらく我慢。  家にある食材をうまく活用して、作り置きしようと決意したわけですが、冷凍庫の奥底から霜だらけになった鮭の切り身などが出てくる出てくる……本当に申し訳ないですが、到底食べる気など起きないのです。  おそらくあそこまで霜が付いていれば変質しているだろうという恐れもあり、こちらは泣く泣く処分。本当にこんなこと許されません。ごめんなさい。  環境に対して申し訳ないと反省しながら、上のルールを徹底してだいたい2週間ほどが経ちました。現在のところ、自分の中におきた変化のようなものをお伝えしておきます。 ①料理上手になった感覚がある  ちょっとだけ残っている乾燥わかめを使い切りたくて、お米に混ぜて炊いたり、何本もあるドレッシングをどうにかすべく、和風醤油味ドレッシングをパスタに使ってみたりととにかく頭をひねっているうちに、自己流レシピがいくつも誕生しているのです。  そして、いくつも自己流レシピが誕生しているうちに気づくのが、 ②自己肯定感が結構上がる  ということ。ものを買わずに済んだ、この調味料を使い切ったという達成感があると、同時に、こんなおいしいものできちゃった?! という嬉しい誤算が続いたことで、自分がとても環境に良いことをしている+女子力が上がっているような感覚が芽生えたのです。  私の中で料理と言うのはコンプレックスの一つ。何を作っても薄味になってしまい、たいしておいしいものができあがらないことで、自分の中でふてくされている部分もあったのですが……意外といろいろチャレンジしてるうちに、できるんじゃん?! というような不思議な感情が。  なんて、ほっこりしながらも、現代人としての本質を痛いほど感じたのが、 ③誰がどう言おうと、実はスマホと充電器こそがすべてのライフライン  であるということ。この買わないチャレンジの途中、充電器が壊れるアクシデントが。これは本当に何にも代用が効かず、家中探しても代わりになるものはあるわけはなく。  しかも充電が残り数%の中で充電器が壊れるという事態に焦りに焦り、取るものもとりあえずコンビニまで走った私。スマホの充電がなくなると人間てあんなに焦るんですね……。  結局スマホがないと何もできないんかい!! という現実をまざまざと突きつけられたのでした。  さて、私の買わないチャレンジ。いつまで続くのか。ちなみに、どうしても我慢できなくて買い足した調味料はマヨネーズです。ということで今のところ判明しているのは、マヨネーズとスマホ最強説、というところでしょうか。  え、なんだそれ。 <文/アンヌ遙香>
アンヌ遙香
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道札幌出身、在住。現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。北海道大学大学院博士後期課程在籍中。文筆家。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram: @aromatherapyanne
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