「演じられる年齢になるまで待って」大ヒット作監督に直談判していた45歳俳優。最新ドラマにみるベテランの成熟した余裕とは
特大おにぎりと3秒ルール
事務所独立後初の連ドラ主演で醸す「成熟」
ここでやっと『ROOKIES』の話題を。佐藤演じる新米教師・川藤幸一は、絵に描いたような熱血キャラだった。問題ばかりの高校で他の教師たちは波風を立てないことがモットー。そんな中、川藤だけは新任者として熱血と情熱で乗り込む。 第1話中盤、教え子から投げ込まれた豪速球の野球ボールを拾い上げる。「WELCAME」と歓待の言葉が書いてあるボールのスペルミスをさわやかに指摘。鷲掴むボールがちょうどおにぎりサイズ(?)に見えるのは気のせいか。同作は佐藤にとって特に思い入れの作品である。 原作者・森田まさのりが『ナカイの窓』(日本テレビ系、2016年放送)に出演したときには、佐藤からの「もっと自分が役者として成熟してからやりたい。だからドラマの話がきても、自分がやれる年齢になるまで待ってもらえませんか」と綴られた手紙を紹介していた。 おにぎりサイズ感の野球ボールに込めた熱血キャラが特大おにぎりを手にした熱心キャラへとゆるやかに変化する。2024年に事務所を独立後初の連ドラ主演である本作『新東京水上警察』の佐藤隆太は、「成熟」したベテラン俳優の余裕を醸して演じている。 <文/加賀谷健>
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