一昨年SNSを突然削除した30歳俳優。アメリカ旅ロケで明かされた“俳優としての葛藤”とは
2025年9月18日、杉野遥亮が30歳になった。今年はデビュー10周年も兼ねた節目を迎えるため、『アナザースカイ』(日本テレビ系、10月25日放送回)に出演した杉野は、旅の地をアメリカに定めた。
初のアメリカ旅。サンフランシスコからクリスタルガイザーの源泉が湧いていることでも有名なシャスタ山を目指す。その過程で番組カメラが捉える、嘘のない人生観とは?
男性俳優の演技を独自視点で分析するイケメン研究家のコラムニスト・加賀谷健が、杉野遥亮出演回を解説する。
杉野遥亮をパッと見たとき、圧倒的にさわやかな第一印象を抱く。さわやか笑顔はもちろんキュートだが、少し重々しいくらいの表情の方が魅力的だったりもする。そういう表情をするときの彼は、何かを語りたいという雄弁な意志を秘め、エネルギーにみちている気がするからだ。
2015年にモデルとしてデビューしてから10年。30歳の節目を迎えようとする彼に『アナザースカイ』のカメラが向けられる。ドキュメンタリー的なカメラが、きっと彼の表情の奥側をのぞかせてくれるだろう。期待は高まる……。
と思ったら、番組序盤の杉野は、旅の地に選んだサンフランシスコで自由に振る舞い、無邪気に戯れてばかりいる。コメント力は雄弁だが、道端の椅子にゆらゆら揺られてみたり、オーガニックなアメリカ料理をどんどん食べてひたすら感想を言ってみたり。MCの今田耕司が思わず「旅行ちゃうねん、ちゃんと語るんやろうな、後で」とツッコミを入れていたくらいだ。
冒頭近くの場面で杉野は「密着みたいな感じのやつ、もしかしたら初めてくらいかもしれないです」と言っていた。なるほど、序盤はあまり慣れないドキュメンタリー的なカメラとの信頼関係が構築されるまで、食レポなどで軽いジャブを何発も打っていただけなのかもしれない。
この番組のカメラと杉野遥亮との間にはフランクな距離感がちゃんとある。ここぞという瞬間には自分の言葉で本質的に語りますよ。でもちゃんと準備が整ってからね。みたいな心の声が聞こえてくる気さくな気配すらあるのだ。
ここから本番。今回の旅で杉野が行ってみたかった場所へ向かう。それはサンフランシスコから車で北に5時間ほど、標高4322メートルのシャスタ山だ。長い一本道の先に山がのぞく。それを見た杉野は「身体が軽いよ」とはしゃぐ。
雪山から湧き出る水はクリスタルガイザーの源泉として有名で、杉野は源泉を汲みにいく。「水のパワースポット」とも称されるシャスタ山入りで、旅は次第にスピリチュアルな空気感をたたえはじめる。杉野遥亮の出演回はどうやらいつもとひと味違うようなのだ。



