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少女6人を地下壕で強姦し、2人が餓死、2人を生き埋め…「残酷すぎる現実」から松本穂香が目を背けないワケ

確実にヒーローであり、同時にどこまでも報われない存在

『マルドロール/腐敗』 この映画のなかで、主人公のポールは、延々と泥のような感情に飲み込まれ続けていたのかと思うと、たった一人で戦い続けた彼の行動は、私の目には正しいものに映りました。  正義感や後悔に取り憑かれた彼は、周りから非難され、孤独に追いやられてしまったけれど、彼だけは、どれだけ見るに堪えない現実が目の前にあったとしても、目を逸らさずに追い続けた。この映画のなかで、確実にヒーローであり、同時にどこまでも報われない存在でした。  私たちはいま一度、ひとりひとりがこの現実から目を逸らさず、向き合う必要があるのではないかと、改めて考えさせてくれる映画でした。ぜひたくさんの方にご覧いただきたいです。 ●『マルドロール/腐敗』 配給/アンプラグド 新宿武蔵野館ほか全国順次公開中 ©FRAKAS PRODUCTIONS – THE JOKERS FILMS – ONE EYED – RTBF – FRANCE 2 – 2024  【他の記事を読む】⇒「松本穂香の銀幕ロンリーガール」の一覧はこちら <文/松本穂香> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
松本穂香
1997年2月5日生まれ。大阪府出身。2015年『風に立つライオン』で長編映画デビュー。2017年連続テレビ小説『ひよっこ』に出演して注目を集め、2018年にはTBS日曜劇場『この世界の片隅に』で主演に抜擢。2023年、映画『“それ”がいる森』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。2024年10月期月9ドラマ『嘘解きレトリック』では鈴鹿央士とともにW主演を務めた
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