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「ウイスキー1.8Lを毎晩」「職場にも酒を隠して…」アルコール依存の実体験を描く作者を取材<漫画>

毎日ウイスキーのペットボトルを空けていた

――当時は、どれくらいの量のお酒を飲んでいたのでしょうか。 エクボさん(以下、エクボ):一番多かった時期は、仕事帰りにコンビニでウイスキー1800ミリリットルのボトルを毎日1本買い、寝るまでに空けていました。飲んでいるときの記憶がほとんどないので、こぼしたり捨てていた可能性もありますが、ほぼ飲み切っていたのではないかと思います。その頃は、お店の中にもウイスキーのペットボトルを隠して仕事中にストレートで飲んでいました。 ――二日酔いや、健康面の不調はありましたか? エクボ:それが二日酔いになったことが一度もなく、飲酒後に頭痛や吐き気を感じたこともありませんでした。周囲からも体調が悪そうだと言われたことがないので、自分が覚えていないだけというわけでもないと思います。健康診断でも肝臓の数値が悪かったことはありませんでした。 体調が悪くならなかったために、「まだ大丈夫」と飲み続けてしまった部分もあるのかもしれません。

動画に映った、泥酔状態の衝撃の行動

――仕事中の飲酒を、上司が黙認している描写があって驚きました。 エクボ:アルバイトの子達が、私の飲酒について会社に伝えていたのですが、本部の上司は「営業前に飲んで気合い入れている社員はいる」と言っていました。「お酒を飲んで仕事を頑張れるなら別に構わない」という雰囲気でした。 お店のお酒に手をつけるのは絶対にNGでしたが、外で買ってきたお酒を飲むことは事実上黙認されていました。飲酒へのハードルがとても低い職場環境だったと思います。 ――エクボさんがアルコールの問題を自覚したきっかけは何だったのでしょうか。 エクボ:漫画に“ダンゴちゃん”という名前で登場する、仲の良いアルバイトの女の子が、仕事中に私が飲んでいることに気づいて、親身になって話を聞いてくれたんです。そして、「一緒にお酒飲んで、どんな状態になるか確かめてみましょう」と提案してくれました。 そのとき私は泥酔して記憶をなくしてしまったのですが、ダンゴちゃんが私の様子を動画に撮ってくれていました。それを見た瞬間、本当にショックだったし、恥ずかしくてたまりませんでした。 動画の中の私は明らかにおかしくて、1人で会話をしているのが特徴的でした。ダンゴちゃんが話しかけても答えずに、“見えない誰か”にずっと話しかけているんです。「もう一軒行く?」「もう飲めないよ〜」などと、まるで隣に誰かいるかのように視線を動かして大声で話していて、自分でも怖くなる姿でした
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手の震え、動悸がするように
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