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「ウイスキー1.8Lを毎晩」「職場にも酒を隠して…」アルコール依存の実体験を描く作者を取材<漫画>

手の震え、動悸がするように

――ご自身では覚えていなかったのですか? エクボ:まったく記憶がなかったことが、本当にショックでした。当時は、お酒を飲むと知らない間に帰宅していて、部屋の中にお酒の缶やビンが散乱していることがよくありました。 身に覚えのない数の缶やビンを見て、「このお酒を万引きしていたらどうしよう」と不安になり、クレジットカードの使用履歴を確認することがよくありました。ある朝、目を覚ますとインターホンのカメラに警官が映っていたこともあります。おそらく、泥酔状態の私を見た誰かが通報したのだと思います。しばらくの間「捕まるんじゃないか」と怯えましたが、そのあと警官が再び来ることはなく、原因は今もわからないままです。 ――問題を自覚した後は、お酒をやめられたのでしょうか。 エクボ:このままではダメだと思って、減酒を試みるようになりました。でも、「今日だけ我慢しよう」と思うと、なぜか「もう一生飲めないんだ」と絶望的な気持ちになってしまうんです。頭痛や目の奥の痛みが出て、仕事のやる気もなくなってしまいました。 それでも減酒を続けていたら、今度は体に異変が起きるようになりました。仕事中に手が小刻みに震えたり、心臓の動悸がしたりするようになったんです。ネットで検索すると、アルコールの離脱症状(急にお酒をやめたときに起きる体の不調)の可能性があることを知りました。手の震えを人に見られるのが嫌で、結局また仕事中にお酒を飲むようになってしまいました。 【依存症の相談窓口】 全国の保健所 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/hokenjo/ 全国の精神保健福祉センター https://www.zmhwc.jp/centerlist.html <取材・文/都田ミツコ>
都田ミツコ
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。
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