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「運転手、遅ぇぞ!」バスで怒鳴る迷惑客に、女性が“京都弁でひと言”。次の瞬間、笑いが広がった

核心をつくひと言で空気が一変

「ですが文句オヤジは、その空気を読み取ることすらできなかったのか、『どういう意味だよ? 文句があるなら言えよ』と、前のめりになりながらおばあさんを威嚇したんですよね」  ですが、女性は動じなかったそう。 「おばあさんは『しかも運転手さんにまで元気よくお話ししてはって、ほんまに社交的なお方やわぁ』と畳みかけると、文句オヤジの方に向き直って、『そんなにお声が大きいのに、どうして器はこんなに小さいんやろなぁ思て』と笑顔で言い放ったんですよね」 高齢者の女性 にこやかな表情のままでの、逃げ道を与えないそのひと言に、誰もが息を呑み、その場の空気が一瞬止まったかのように感じました。 「そして次の瞬間、車内のあちこちから『プッ……』『クスクスッ』と笑いがこぼれて。もちろん私もおばあさんの言葉がもっとも過ぎて笑ってしまいましたよ」  張り詰めていた空気が一気にほどけ、それまで車内を支配していたのは男性の怒声でしたが、今や完全にその女性優勢の空気でした。

逃げるように降りた男性と戻った平穏

「視線を集め、笑われる立場になった文句オヤジは、居心地の悪さを隠せなくなり真っ赤な顔で立ち上がると『チッ!』と大きく舌打ちをして、そのまま次の停留所で逃げるように降りていったんですよね」  バスが再び走り出すと、ようやく穏やかな空気が戻ったそう。  菜月さんは女性と目が合うと、胸の前で手を叩くジェスチャーをしながら、ぺこりと頭を下げました。 「そしたらおばあさんが『ほんまは声が大きい人のことを元気やなくて、無粋言いますのや』とにこやかに返してくれて。車内は笑いに包まれたんですよね」  怒声で支配されていたはずの空間は、気づけば優しさとユーモアに満ちた場所へと変わっていたそう。 「理不尽な振る舞いに対して、声を荒げることなく、でも確実に芯を突く見事な一言に思わずグッときてしまいました。今でもあの光景を思い出すとニヤニヤしちゃうんですよね」と微笑む菜月さんなのでした。 【他のエピソードを読む】⇒「実録!私の人生、泣き笑い」の一覧へ 【あなたの体験談を募集しています!】⇒心がほっこりした「ちょっといい話」、ありえない!「びっくりした話」「ムカついた話」、人生最悪の恋愛を募集中!(採用時に謝礼あり)ご応募はここをクリック <文・イラスト/鈴木詩子>
鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop
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