
大学生の頃、初めて海外旅行に行った時のことを思い出した。湧きあがり続けるアドレナリンとともに私の脳を支配していたのは、私はどこにだって行ける、何だってできるという強烈な万能感だった。
コロナ禍や昨今の突然の戦争によって海を越える自由が危ぶまれたからこそ、作中の青年たちの気持ちが今まで以上によくわかる。
ホームを愛おしく思えるのは、どこにでも行けるのにあえてここを選んでいるという自負があってこそ。移動の自由のかけがえのなさを改めてかみしめた。
『
ペリカン・ブルー 〜自由への切符~』
配給/マーチ 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開中 ©UMBRELLA ENTERTAINMENT Kft. / all rights reserved.
<文/宇垣美里>
宇垣美里
’91年、兵庫県生まれ。同志社大学を卒業後、’14年にTBSに入社しアナウンサーとして活躍。’19年3月に退社した後はオスカープロモーションに所属し、テレビやCM出演のほか、執筆業も行うなど幅広く活躍している。