
画像:TVerより
しかしながら、それは和久田アナに限った話ではありません。この数年で、NHKから鳴り物入りでフリーに転身した有働由美子アナウンサーや武田真一アナウンサーなどにも共通している点だと思われます。
たとえば、打ち切りになった『with MUSIC』(日本テレビ系)での有働アナウンサーは、ミュージシャンとのトークでも個性を発揮できずにいました。音楽的な背景を深掘りするわけでもなければ、プライベートに踏み込んで本音トークを繰り広げるわけでもない。どっちつかずで焦点が定まらないまま、なんとなくゆるふわな雰囲気が漂うだけの、掴みどころのない番組になってしまいました。
いま『有働Times』(テレビ朝日系)で、かつてのNHKでのニュースのようなスタイルに戻り好調なのは、ある意味皮肉だと言えるかもしれません。

武田真一アナウンサー
画像:グラクソ・スミスクライン株式会社 プレスリリース
『DayDay.』(日本テレビ系)での武田真一アナウンサーも、好人物であることは十分に伝わってくるけれども、いまだに出演者と有機的に絡んで言葉で笑わせる場面に遭遇したことがありません。角は立たないし、無難といえば無難だけれども、喜怒哀楽がてんこ盛りだった加藤浩次の『スッキリ』と比べると、だいぶスケールダウンした印象は否めません。
もちろん、これだけで「NHKのアナウンサーが民放では通用しない」と結論づけるのは早計というものでしょう。ただし、事前の期待値の高さに比べると、いずれも肩透かしを食らったような感覚なのは否めないところでもあります。
やはり、NHK出身のアナウンサーには、重厚さと軽妙さをあわせもった存在でいてほしいのです。それぐらいの期待感を、まだまだNHK(出身者)には持っていたい。それはわがままなのでしょうか?
<文/石黒隆之>
石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter:
@TakayukiIshigu4