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「赤ちゃんより私を優先して」産後6か月で始まった地獄の義母介護。限界の嫁を救った“神すぎる行政支援”

助産師→保健師→精神科医へ次々と連携

 地域包括支援センターのスタッフの訪問と同じ頃、産後ケア(※)のアウトリーチ支援(支援する側から家庭に働きかけ、必要なサポートにつなげる取り組み)として、助産師さんの訪問があった。7か月を過ぎるとデイケアやショートステイは使えないが、訪問型で離乳食の指導を受けられる。  デイケアのときから私の担当をしてくれた助産師さんが来てくれたのだが、事前に介護中の義母が滞在していることを伝えたのと、離乳食指導の様子を義母も見たいとのことで、食卓に義母も座り、助産師さんが息子に離乳食を食べさせるのを見ていた。  息子は順調な発達で、そのとき9か月後半だったが、食べる力や体は11か月レベルなのでお粥ではなく軟飯にレベルアップしてもいいと言われ、離乳食はかなり普通の食事に近づいた。最初は10倍粥大さじ1から始まったのに、もう軟飯や粒の大きいものを食べられるなんて本当に子どもの成長は早い。  助産師さんは我が家の様子を把握し、保健師さんに繋いでくれると言う。その後、助産師さんから「姫野さんが苦しくならないよう、応援していけたらと思います。私がやれることを探していきます」と、あたたかいLINEが来て胸がいっぱいになった。  その翌週には保健師さんと介護サービススタッフの方が訪問し、主に私に対する支援ができないかの話があった。そのなかで、産後ケア事業の家事サービスもあるが、私が精神の障害者手帳2級を持っているので、障害福祉サービスを利用する手もあると言われた。  障害福祉サービスを利用するためには医師の意見書が必要だ。ちょうど翌日、メンタルクリニックの予約の日だったので、障害福祉サービスの意見書に関しても主治医に相談することにした。  こうやって、義母は地域包括支援センターへつながり、私は助産師さん、保健師さん、精神科の主治医が連携し、支えてもらえることになった。妊娠中も、発達障害のある自分はうまく妊娠・出産・育児できないのではないかと不安だったため、保健師さんと産婦人科医、精神科医が連携をとってくれた。けれど産後も、出産や育児とは直接関係のないことで、再び行政や専門家の連携に支えられることになるとは思っていなかった。

義母の問題さえどうにかなれば、やっていける

つかまり立ちするようになった息子(9か月)

つかまり立ちするようになった息子(9か月)

 産前と違うのは精神科で薬を処方されなかったことだ。久しぶりに会った主治医の女医はいつものように明るく、でも真剣に義母の愚痴を30分聞いてくれた。  今、安定剤などを処方されると眠気により息子のお世話ができない。今できることは主治医が保健師さんと連携を取ってサポートをすることだと言われた。義母の問題さえどうにかなれば私はやっていける。  実は妊娠中、主治医に「女性は妊娠により精神疾患が良くなる人とそうでない人がいて、姫野さんは良くなるタイプだと思う」と言われており、主治医の予想は的中した。産前よりも心身ともに健康になり、育児ができている。  毎日連絡をくれる両親、特に電話で義母の話し相手になってくれている母、夫、愚痴を聞いてくれる友達、保健師さん、助産師さん、精神科主治医。私をサポートしてくれる人はたくさんいる。それに、介護認定調査の結果が出れば本格的に介護サービスを受けられるようになる。  息子と2人で家出をしたくなる日もあるが、自分は一人ではないと言い聞かせ、息子を守っていきたい。 ※産後ケア…出産後、疲労回復や育児アドバイスなどの心身サポートを行ってくれる事業で2021年から市町村の努力義務となっている <文/姫野桂>
姫野桂
フリーライター。1987年生まれ。著書に『発達障害グレーゾーン』、『私たちは生きづらさを抱えている』、『「生きづらさ」解消ライフハック』がある。Twitter:@himeno_kei
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