──まず、『鶴子はまだ四十五だから!』が誕生したきっかけについて教えてください。
邑咲奇さん(以下、敬称略):次の新連載は「アンチエイジングのエキセントリックはちゃめちゃギャグコメディ」にしようと思って準備していたんですが、そのネームが全ボツになりまして……(笑)。他に何も考えていなかった私は慌てふためき、ヤベェヤベェと思いながらネーム修正を繰り返し、気が付いたら今の設定になっていた感じです。
──全ボツになってしまったネームの設定もかなり気になるところですが(笑)。今作で主人公の年齢を四十五にしたのはなぜですか?
邑咲奇:前回の主人公が三十五だったので、「思い切ってプラス10歳いっちゃう!?」というノリと、これまでに描いたことのない年齢にしたかったからです。
なので全体の設定は流れでこうなったという感じで、お恥ずかしながら1話の段階ではほぼノープランで走り出しているんです。ただ私は担当氏に絶大な信頼を寄せているので、特に不安になることはありませんでした。そして今振り返ってみると、この設定で本当に良かったなと思います。
──ピュアでありながら自分の芯をきちんと持っている鶴子は多くの読者から愛されています。そんな彼女のキャラクターはどのように形作っていったのですか?
邑咲奇:四十五という年齢は、ある程度自分の価値観や考え方、信念などが確立されてくる年齢だと思いますし、次に描くならめちゃくちゃ芯の強い主人公にしたいと思っていたんです。
私は幼少期、毎日ひとりで狂ったようにおままごとやお人形さんごっこに明け暮れていました。両親が共働きの鍵っ子だったこともあり、ひたすら空想の物語を楽しむコスパの良い遊びを永遠にやってきたくちなので、キャラクター作りに関してはその時に培ったものだと思います。なにせ1人で何役もこなしていたので。
言葉で説明するのが難しいのですが、キャラクター設定はビジュアルから自然に決まっていく感じです。私自身の考えを投影するのではなく、「このキャラだったらこう考えるだろうな」という考えを軸にしています。
登場人物たちはみんなどこか憎めない感じにしたいと思っていて。それは基本的に私が、人間は誰しもお茶目だと思っているからです。