主役はウチの子に! セレブママのプライドをかけたお遊戯会トラブル
幼稚園の一大イベント、発表会。その水面下では主役を狙うママたちの思惑が渦巻いているのです。
年長クラスを担当する幼稚園の先生が、目の当たりにしたママ友トラブルを話してくれました。
父親が大手企業に勤めるAちゃんは、英会話・バレエ・ピアノ・知育を習っているセレブ家庭のひとり娘。
「発表会で白雪姫をやることになり“じゃんけん”で配役を決めました。主役にはAちゃんと数人の女の子が立候補して、勝ち残ったのはBちゃん。Aちゃんは村人になりました」
役が決まった日、降園後にAちゃんママから「じゃんけんで役を決めるのはおかしい」と園に電話がかかってきたそうです。
「公平性を重視していること、村人も大切な役であることを話しました。理解してくれたのでそのまま練習を続けていたのですが、二週間ほどして今度はBちゃんママから主役を辞退したいと連絡がきたんです」
Bちゃんママは「セリフが多くて本人が嫌がっている」と話したそうですが、Bちゃんの園での様子は正反対。
改めてBちゃんに確認しても辞めたがっている様子はなく、そのことをBちゃんママに伝えても「辞退したい」の一点張りだったといいます。
そして今から配役を変えても練習が間にあわないと話すと、返ってきたのは意外な一言でした。
「白雪姫のセリフならAちゃんが覚えているので、交代すれば大丈夫です」
なにやら怪しい雰囲気を感じ取った先生は、Bちゃんママから話を聞きだしました。
すると……Aちゃんママは「白雪姫にぴったりだから」と高級ブランドの新品ドレスをBちゃん宅へ渡しに来たそうです。
丁重に断ると、「子どもの晴れ舞台に最高の環境を整えてあげるのが親の務めよね」と、どこのブランドで用意するのかしつこく聞いてきたとのこと。
さらにAちゃんと比較しながら「今のままではBちゃんに主役の演技やセリフはムリ」とバレエや知育教室のパンフレットを置いていき、その後は頻繁に「どこに決めたか」「いつから通うのか」と連絡がきていると言うのです。
「白雪姫役は嬉しいけれど、こんな思いをするくらいなら主役をAちゃんに譲りたいというのが主役辞退の本当の理由。Bちゃんは一般的なご家庭なので、発表会のために高級ブランドや高額な幼児教室に通わせる経済観念はありません。
Aちゃんママは『幼稚園最後の発表会をよくするために協力している』といいながら経済的な格差を利用してプレッシャーを与え、主役を辞退するように仕向けていたんです」
ちなみに衣装は園で用意し、飾りつけは自由とのこと。高額なドレスを用意する必要はなく、演技力も求めていないとBちゃんママに安心してもらい、そのままの配役で発表会に挑んだそうです。
「Aちゃんは豪華な飾りで主役よりも煌びやかな衣装を着て村人を演じました。本番終了後もAちゃんママは娘の演技をBちゃんと比較しながら大声で褒め、『じゃんけんで配役はおかしい』と最後まで騒いでいました」
「発表会は頑張った成果を発表する場。役に関係なくすべての子どもが主役です」と言い切った先生ですが、Aちゃんママにその思いは届かなかったようです。
<TEXT/千葉こころ PHOTO/Serge Black>
― ママ友トラブル【3】 ―
ママのプライドをかけた 主役争い
役が決まった日、降園後にAちゃんママから「じゃんけんで役を決めるのはおかしい」と園に電話がかかってきたそうです。
「公平性を重視していること、村人も大切な役であることを話しました。理解してくれたのでそのまま練習を続けていたのですが、二週間ほどして今度はBちゃんママから主役を辞退したいと連絡がきたんです」
Bちゃんママは「セリフが多くて本人が嫌がっている」と話したそうですが、Bちゃんの園での様子は正反対。
改めてBちゃんに確認しても辞めたがっている様子はなく、そのことをBちゃんママに伝えても「辞退したい」の一点張りだったといいます。
そして今から配役を変えても練習が間にあわないと話すと、返ってきたのは意外な一言でした。
「白雪姫のセリフならAちゃんが覚えているので、交代すれば大丈夫です」
主役辞退に追い込まれたプレッシャー
千葉こころ
自由とビールとMr.Childrenをこよなく愛するアラフィフライター&編集者。
人生後半戦も夢だけは大きく徒然滑走中


