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なぜ、チャラ男と口説き上手はセックスが下手なのか?

 あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。さて、「ヤリ捨てする人」という言葉を聞いた時、あなたが想像するのはどちらの性別の人ですか?

勝部氏

場数の多いチャラ男には注意が必要!(勝部)

 おそらく多くの人が男性を想像するかと思います。確かに男性のほうが、別の相手を求める傾向にある人は女性より多い。ですが、定期的にセックスするために肉体関係のある人をキープしておきたいと願うのも男性に多いのも事実。男性にとってヤリ捨てするという行為は既得権益をみすみす自ら手放す行為であって、損になる行為です。

 男性全体を見た時に、どちらの傾向が強く出るかと言えば、私はおそらく後者だと思います。つまり、自らヤリ捨てをする男性というのは一部であって、肉体関係にある男女関係について継続を望まなくなるのは、女性のほうに多いというのが実態だと思うのです。実際、多くの女性が男性に肉体関係の継続を断られたケースよりも、女性が自分から継続を打ち切ったケースのほうが多いのでは無いでしょうか? 多くの生き物においてもメスにオスを選ぶ決定権があるように、基本的に男性というのは不合格なら女性に捨てられる運命にある生き物ですなのですから当然なのです。

 ではなぜ、私たちは体の関係を絶つのは男性が多いというイメージを持つに至ったのでしょうか?

 それは、被害者の絶対数が男女の間で差があるからです。男性は女性以上にモテ格差が大きく、一部モテ層男性が多くの女性に手を出すという構図があります。つまり、少数派であるモテ層男性がいろんな女性に手を出してたくさん捨てられているから、関係を絶たれたことのある男性の絶対数は少ない。一方で女性はあまねくヤリ捨て男性のターゲットにされるため、関係を絶たれたことのある女性の絶対数は多くなるのです。

 また、情報の性質の問題上、男性のほうが表明化しにくいからというのも理由の一つです。関係継続を絶たれた女性は自分が捨てられたことを他人に話しても、自分の評価が下がることはあまりありません。むしろ同情意見を集められます。それに対して、男性が関係継続を絶たれたことを他人に話したならば、周りからの男としての評価は下がるだけ。自分自身のメンツに繋がるのですから、あまり表明化しないのです。

 このように、チャラ男や口説き上手のようなヤリチン男性は、自らどんどんヤリ捨てをするというよりもむしろ、どんどん関係を絶たれている男性である場合が多い。彼らをたとえるならば、「使い捨てカイロ男子」と言ったところでしょうか。簡単に買えるけれど、熱は長持ちしない。彼らは社会的地位が高いことも多く、本人たちは「ヤった女の数○○人」などと自慢しますが、客観的に見たらただ使い捨てされているむなしい存在です。彼らは、女性に関係を絶たれ続けたために、常に相手を補充しなくてはならず、結果的にチャラくなったり、口説きが上手くなった、とも言えるのです。離職率の高い業界が常に求人募集して、人集めだけは上手くなっていくのと構造は同じですね。

 また、多くの球技同様に、セックスも一人でするものではないのですから、やみくもに数だけこなしても何の意味もありません。コンビネーションを良くしてより高いパフォーマンスを実現するには、同じ相手と緊密なコミュニケーションを何度も重ねることが必要です。それができていない彼らはセックスが下手なのは当然と言えるでしょう。

 そしてセックスが下手なことがまた関係を絶たれる一因になることもあります。こうやって彼らは「使い捨てカイロループ」にハマっているのです。こうなると抜け出すことは難しくなります。多くの女性にとって、浅い関係しか構築できていない相手にセックスが下手なことを指摘しきゃいけない「コスト」は、指摘してその人との関係を続けことで得られる「リターン」を上回っているため、彼らに指摘せずに関係を静かに絶ちます。そのため、彼らが下手だと自覚する機会はなかなか無いのです。

 ちなみに、自分から女性を捨てるヤリ捨て男性の場合、そのような行動に走るのには、女性への復讐であるケースも多いです。ジェンダー論の世界では女性嫌悪のことを「ミソジニー」と言うのですが、実はヤリ捨てをする女好きな男性ほどミソジニー的な傾向にあります。彼らは「女好きの女嫌い」なのです。過去に女性に関係を絶たれたなどの経験を引きずっているからこそ、捨てられる前に捨てる。傷付ける前に傷付ける。弱き者だからこそ攻撃的な自己防衛策を取るのです。最低ですね。ヤリ捨ては男としての生物学的行動というよりむしろ、未熟さが原因の個人的な行動であると言えるでしょう。

 寒さも深まるこの季節。人肌が恋しくなることもありますが、使い捨てカイロ男子ではまたすぐ寒くなってしまいます。やたら口説き上手な男子には注意が必要です!

⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】

【勝部元気氏】
コラムニスト。ジェンダー論、現代社会論、コミュニケーションを切り口にした男女関係論が専門。男性でありながら子宮頸がんワクチンを接種。『勝部元気のラブフェミ論』(http://ameblo.jp/ktb-genki/

勝部元気
1983年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒。コラムニスト・社会起業家。専門はジェンダー論、現代社会論、コミュニケーション論、教育論等。他にも幅広い知識習得に努めており、所持資格数は66個にのぼる(2015年6月現在)。雑誌・TV・web等でコメンテーター活動をしている他、働く女性の健康管理を支援するコンサルティング会社(株式会社リプロエージェント)の代表取締役CEOを務めるなど、各種ソーシャルビジネスに携わっている。ブログ(http://katsube-genki.com/blog/)は、男性なのに子宮頸がん予防ワクチンを打ったレポートが話題となった。twitterは@KTB_genki 。初の著書『恋愛氷河期』(小社刊)は発売中
恋愛氷河期

著者は、ナンパ禁止論や反・不倫論で話題を呼んでいるコラムニスト。男性から、かつ若手からの立場で、女性に厳しい社会に真っ向からダメ出しをする。




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