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オシャレ(風)な家がついに完成!【シングルマザー、家を買う/15章】

<シングルマザー、家を買う/15章>

バツイチ、2人の子持ち、仕事はフリーランス……。そんな崖っぷちのシングルマザーが、すべてのシングルマザー&予備軍の役に立つ話や、役に立たない話を綴ります。


(前号までのお話)
「ヤフオク!」で、ID名“う○こ”(と勝手に思っている)に一度阻まれながらも、無事システムキッチンを落札したシングルマザー。しかし、想定よりもサイズが大きかったため、キッチンを無駄に広くすることになってしまった。

オシャレ(風)な家が完成!



 ゴミ屋敷だった新しい我が家は、リフォーム工事とともにスッカッラカンの箱になり、自由に間取りを決めていく作業に入った。

 そこで私は、2人の子どもとデブ猫・プー太郎(8.5キロ)がのびのびと過ごせるように、3LDKを思い切って2LDKへと変え、リビングとキッチンを合わせたら24畳という広さの部屋に設計してもらった。さらに4畳半の子ども部屋と、6畳の寝室を加えると、母子家庭には十分すぎるほどの立派な家へと変化したのだ。

 そこに続々と「ヤフオク!」の戦利品である家具とキッチン、トイレ、お風呂などが届き、壁紙を貼り、天井にペンキを塗ると、もう、これは誰がなんと言おうと、“オシャレ(風)”な家である。

 なかでも素材そっちのけで木目調の色だけにこだわったフロアマットはとにかくオシャレ。さらに白い木目調の壁紙も、本当に可愛らしく、満足が行く出来だった。もはやカフェの様相である。

 ただ、フルリフォームをするお金はもちろんなかったため、ドアなどはすべて古いものに壁紙を張ることで使い回すことに。それがまたレトロないい雰囲気を出し、新旧入り混じったナチュラルテイストの家が出来上がったのだ。

 このときの感動は、もう何にもたとえられない。それと同時に、この家で私は大黒柱になっていくのだという強い意志が改めて芽生えた。出来上がった家を、優男の設計士さんと、ちっちゃいおじさんである大工さんと3人で眺めたときは、不覚ながら涙が出た。すると、大工のおじさんはこう言ってくれたのだ。

「いい家だね」

シングルマザー、家を買う 私も心からそう思う。この1ヶ月、大工さんはひとりでこの家を全部施工してくれた。完成直前にトイレに棚をつけてほしい、バスルームの鏡をつけてほしいと頼んだり、CDラックとして購入したカラーボックスの組み立てに四苦八苦していると、さっと来て一緒に作ってくれたりと、私のわがままに呆れながらも、優しく対応してくれたのだ。

 最後に、完成した家に届いたダイニングテーブルを囲んで、ビールで乾杯したときは、今までにない充実感と一体感が生まれていた。この家を作り上げた設計士、大工、壁紙屋、そして私全員がフリーランスという状況がまた絆を生んでくれたのだろう。

ラガーマンに恋?



 そして、家が完成し、住みはじめて1ヶ月ほど経ったとき、不動産屋のラガーマンから連絡があった。家の購入成立のお祝いを届けてくれるという。

 工事の忙しさと、自分の家に住むという高揚感でラガーマンのことをすっかり忘れていたが(失礼)、この家を手に入れられたのはラガーマンの熱い心があったからこそ。シングルマザーでフリーランスの私に「家を売って見せます! 絶対に!」と叫んでくれた彼のことは、心から感謝してもしきれない。

 そんな彼が新しい家に来るというのだから、仕事とわかっていても、自然と胸が高鳴った。これは、これまでの感謝をしっかりと伝えなくてはいけない。そして、お礼にお茶でも誘ってもっとプライベートなお話をしなくては!

 家購入までのさまざまな困難を一緒に乗り越えてきた釣り橋効果で、ラガーマンに対し恋心に似た感覚を持っていた私は、一歩踏み出してお茶にでも誘ってみようと思ったのだ。

⇒【後編】「男の前で萌えてはいけない」に続く http://joshi-spa.jp/230596

<TEXT/吉田可奈 ILLUSTRATION/ワタナベチヒロ>

⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】

【吉田可奈 プロフィール】
80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、音楽ライターを目指し出版社に入社。その後独立しフリーライターへ。現在は西野カナなどのオフィシャルライターを務め、音楽雑誌やファッション雑誌、育児雑誌や健康雑誌などの執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘はネットで見かけた名言“死ぬこと以外、かすり傷”。Twitter(@singlemother_ky

シングルマザー、家を買う

年収200万円、バツイチ、子供に発達障がい……でも、マイホームは買える!

シングルマザーが「かわいそう」って、誰が決めた? 逆境にいるすべての人に読んでもらいたい、笑って泣けて、元気になる自伝的エッセイ。

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