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住宅格差は5歳から始まっている!【シングルマザー、家を買う/26章】

<シングルマザー、家を買う/26章>

バツイチ、2人の子持ち、仕事はフリーランス……。そんな崖っぷちのシングルマザーが、すべてのシングルマザー&予備軍の役に立つ話や、役に立たない話を綴ります。


(前号までのお話)
初めてのジムでのダイエット。イケメン・トレーナーへのほのかな恋心を糧にしていたシングルマザーだったが、彼の「筋肉に殺されたい」という筋肉バカなひと言に冷め、かえってダイエットに集中。見事、9kgの減量に成功したのであった。

デニム屋の店員は預言者



 産まれて初めてダイエットに成功した私は、自分の鏡に映る姿が変わり、少し自信が持てるようになった。洋服のサイズもワンサイズ小さくなり、どんな服も着られるようになったのだ。そこで思い出したのが、クローゼットに入っていた一本のデニムである。

 痩せる前までの私が洋服を選ぶ一番の基準は“着やせすること”。女子プロと言われた伝説の二の腕がカバーされるもの、さらに力強い下半身が目立たない格好が基本となり、ふわりとしたデザインの服を多く着ていた。

 そんななか、スタッフさんに「着やせする服を下さい」と言ったら、明らかに入らないようなデニムを持ってこられたことがあった。そのスタッフさんは最高の笑顔で「お客さんなら着られますよ~」と無責任に言い放ったのだ。

 しかし私は、プロなら嘘は言わないだろうとその言葉を信じた。が、案の定デニムは太ももから入らず、試着室で“ホッピング中なのかな?”と思うほど飛び回り、汗だくになり、化粧もボロボロになった状態でなんとかデニムを履いた経験がある。

 しかも、その時の私はちっぽけなプライドが邪魔をして、「入りませんでした」とは言えず、そのデニムを購入してしまったのだ。

 そんなデニムの存在を思い出し、ゆっくりと履いてみると、なんとするりと穿けたではないか! あのスタッフさん、もしかして預言者!?

リア充な娘と非リア充なママ



 最高に嬉しくなり、喜びの舞をしている私の姿を見て、年長さんになった5歳の娘が衝撃的な一言をかけてきたのだ。

「ママ、かれしできたの?」

 え?

 パニックである。離婚したのはこの時すでに2年前。別居から数えるとパパがいない生活が3年ほど続いている。その間、一緒に恋愛映画やドラマを見たりしていたが、彼氏・彼女という関係性を娘に教え込んだ覚えはない。それに、彼氏、いないし!

「ど、どうしてそう思ったの?」

「ママ、うれしそうだから!」

 お、おう。女の子が彼氏ができると嬉しくなるというのは、どこの情報だい? NHK『天才テレビくん』の後にやっている中高生向けの番組『Rの法則』をそのまま見せちゃっていたからかい? しかし、焦って変なことを教えてはいけない。とりあえず、カマをかけるために基本的なことを聞いてみることにした。

「ていうか、彼氏ってなによ?」

「すきなひとでしょ? ムスメは、つよしくんと、れいくんがすきなの。でも、かれしにするなられいくんかなー」

 なんだそれ! 5歳児ってそんなことになってんの? もはや、アラサーの女子会と変わらない会話が繰り広げられているではないか。しかも“嬉しい=彼氏がいる”ってどんだけリア充な考え方なんだ! もっといろいろあるぞ、嬉しいことは!

 非リア充なママなんて関係なく、保育園でリア充な娘は、私より人生を楽しんでいるようだ。しかし、今名前が出たれいくんは、0歳の時の保育園のクラスメイト。今ももちろん友達だが、普段は違う土地で暮らしている。なぜその名前がでるのだろう。

「なんでつよしくんより、れいくんのほうがいいの?」

「だってれいくん、いっけんやにすんでるから」

 でたー! 住宅格差! 団地に住んでいる娘は5歳から住宅格差を理解しているのだ。

シングルマザー、家を買う/26章⇒【後編】「女子は2歳から“女子”、男子も2歳から“男子”」に続く http://joshi-spa.jp/285541

<TEXT/吉田可奈 ILLUSTRATION/ワタナベチヒロ>

⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】

【吉田可奈 プロフィール】
80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、音楽ライターを目指し出版社に入社。その後独立しフリーライターへ。現在は西野カナなどのオフィシャルライターを務め、音楽雑誌やファッション雑誌、育児雑誌や健康雑誌などの執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘はネットで見かけた名言“死ぬこと以外、かすり傷”。Twitter(@singlemother_ky

吉田可奈
80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、音楽ライターを目指し出版社に入社。その後独立しフリーライターへ。現在は西野カナなどのオフィシャルライターを務め、音楽雑誌やファッション雑誌、育児雑誌や健康雑誌などの執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘はネットで見かけた名言“死ぬこと以外、かすり傷”。Twitter(@singlemother_ky
シングルマザー、家を買う

年収200万円、バツイチ、子供に発達障がい……でも、マイホームは買える!

シングルマザーが「かわいそう」って、誰が決めた? 逆境にいるすべての人に読んでもらいたい、笑って泣けて、元気になる自伝的エッセイ。




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