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「保育園はスカート禁止」に抵抗した娘がついたバレバレの嘘 【シングルマザー、家を買う/38章】

<シングルマザー、家を買う/38章>

 バツイチ、2人の子持ち、仕事はフリーランス……。そんな崖っぷちのシングルマザーが、すべてのシングルマザー&予備軍の役に立つ話や、役に立たない話を綴ります。


シングルマザーは一人二役



 シングルマザーには、二つの役目がある。優しさと厳しさ、両方とも見せなくてはいけないのだ。仕事をして、その背中を見せることで社会的なことをわからせたり、家にいるときには、ママがいるから安心するというようなことも、しっかりと表現しなくてはならない。

 でも、人間誰もがそんなにうまくなんて、できるわけがない。両親揃っていることでいいなと思うのは、どちらかが怒りの限界を超えたら、どちらかが子どもにとっての逃げ場になれるということ。

 それなのに、“パパはいつもいい役目を取って!”と言いながらイライラしているママをたまにみかけるが、それはこちらからしたら羨ましさしかない。だって、こちらは怒りが限界を超えても、その逃げ場も自分が作らなくてはならないのだから。厳しく怒って、優しく包み込む。それをワンセットとして、一人でこなさないといけない。

子どもはダサい服が好き



 娘は小さな頃から利口な方だったと思う。これは親バカでもなんでもなく、頭の回転がすごく早いのだ。親の私でも「え! そうなの!?」と驚かされることもしばしば。そんな娘は嘘をつくことを覚えるのも早かった。

 それは年中さんになった5才くらいのころである。オシャレが大好きで、とにかく女の子らしい服装をしたい娘は、毎日フリルに夢中だった。ロックな服を着せたい親心とは裏腹に、ショップに行けばピンクに赤など、はっきり言ってダッサいものばかり選ぶのだ。

 しかし、なんでこの幼児向けの洋服はこうもダサい色使いのものが多いのだろう。その答えはすぐに出た。子供が、それを好むのである。

 かわいいショップも、もちろんある。パステルカラーにカジュアルでオシャレなもの。大人でも着れそうなデザインのものもあり、雑誌にのっているのは明らかにこちらのものだ。しかし、娘を代表とする子供たちが選ぶのは、おなかにでかい動物が思い切り主張しているような原色のもの。そして、これがいいと泣き叫ぶ……。

 いやだ、絶対に着せたくない。

 そんな想いのもと買う、私がオシャレだと思う服を、娘は絶対に着ない。「痛い!」「キツい!」「かわいくない!」と拒否され、明らかにオシャレな服はすぐにタンスの肥やしへと消えていく。このころから私はもう、娘の意向に完全に服従することにした。ダサくても、気に入って着てくれるならそれでいい。本人の意向が一番大事だ。

シングルマザー、家を買う/38章 私だって、高校生の時にアムラーに憧れてサテンの服を着ていたじゃないか。それに対し、母親に「サランラップまいてるみたいだね」と鼻で笑いながら言われたことはいまでも忘れない。あのとき、自分に娘ができたら、絶対に娘を否定しないと心に誓ったのだ。

娘がついた初めての嘘



 そんな娘がある朝、スカートを取り出して「これを履く」と言いだした。しかし、娘が通っているのは保育園。基本的に保育園ではスカートが禁止されている。

 そこで私が、「いやいや、保育園はスカートダメでしょ」と言うと、「せんせいがいいっていったの」と言い出すのだ。しかし、完全に目が泳いでいる。これは早いところ釘を刺さなくてはいけない。


後編『“地獄”は子どもの嘘に効く』では、本当に保育園の先生はスカートOKと言ったのか、ママは先生に確認すると電話をとりました。すると、途端に焦りだした娘。後編もお楽しみに!

<TEXT/吉田可奈 ILLUSTRATION/ワタナベチヒロ>

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『シングルマザー、家を買う』【吉田可奈 プロフィール】
80年生まれ、フリーライター。西野カナなどのオフィシャルライターを務める他、さまざまな雑誌で執筆。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘は“死ぬこと以外、かすり傷”。Twitter(@singlemother_ky

シングルマザー、家を買う

年収200万円、バツイチ、子供に発達障がい……でも、マイホームは買える!

シングルマザーが「かわいそう」って、誰が決めた? 逆境にいるすべての人に読んでもらいたい、笑って泣けて、元気になる自伝的エッセイ。

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