セックスに特別な意味を持たせると不幸になる
「泣きマン」に見る、本当に幸せなセックス
彼女いわく、初めてなのに安心感があって信頼でき、動かないで抱きしめてくれればいい、それだけでいいと思えるセックスだったそうです。そして、この人に会えて良かった、好きになれて良かった、そしたら涙が溢れていた、とも。このセックスについて森林さんはこう分析します。
“心主導でセックスをしていますが、そこに体はしっかりとあり、頭のほうが置いてきぼりです。(中略)格好つけたり、良く見せようとしたり、こういう自分になりたいって考えたりするエゴはありません”
何らかの証や見返りを求める余裕もない程に没頭できるセックスこそが、もっとも純度が高く、愛に近いセックスになると。そして本書の終盤で、愛とはなにかというもっともディープなテーマについて、このように述べています。
“愛を感じようと思いセックスをすると、そこには意識が働いているので愛を感じることはできませんが、相手を愛おしく思い、その思いから欲情してセックスをすると愛を感じられるのです。僕はセックス以上に、愛を感じられる行為を知りません”
恐らく私たちがセックスを通して相手に求めるのは、愛という名の見返りでしょう。それを得るために、意識的に肉体を与えてしまいます。ですがその行為こそが、もっとも愛から遠いものなのかも知れません。森林さんの唱える「セックス幸福論」は哲学的でもあり、ある種、宗教的でさえあります。セックスに傷つき戸惑う女性の心を柔らかく包み込んでくれる、愛に溢れたバイブル的な一冊だと思います。
<TEXT/波多野友子> 1
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