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「17歳は死と背中合わせ」。湊かなえ原作『少女』で三島監督が描く少女と死の関係

映画が死を留まらせた

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『少女』より

――制服が素晴らしかったです。相当こだわられたのだろうなと感じました。 三島:あー、嬉しいですね。こだわりました、こだわりました(笑)。これだけ多くの学園モノが作られているなかで、それらとは一線を画すものにしたかった。閉塞的な空間で生きている、籠の中の鳥たちのような感じ。しかも伝統的な学校であると伝わる。今までに見たことがないけれど、でも日本のどこかの私立にはありそうだというものを目指しました。なんでそこまで制服にこだわるんだ、もうこれ以上は作れまへんでっていうくらいこだわりました(笑)。 ⇒【写真】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=588687
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『少女』より

――“死”が大きなテーマになっています。監督自身の死への思い、また映像へ向かわれた理由を教えてください。 三島:私は小さなころから死を意識して生きてきた人間だと思います。4歳のときに初めて観た映画が『赤い靴』で、自殺で終わりを迎えるのですが、自殺という選択が人生の中にあるのだと衝撃を受けました。そこからいろいろあって、死んでもいいかなと思った時期もあった。じゃあなぜ今日、私は死んでいないのか。私は朝起きたときに生きることを選択しているのだといったことを考えながら生きてきました。死は自分の中に、常に川のように流れていると思います。  死を踏みとどまらせてくれた大きな存在が映画でした。映画を観たから、あぁ、やっぱり生きようかなと思えた。そして、いつか自分も私のような人が映画を観たときに、明日も生きてみようと思ってくれるような映画を作りたいなと思ったんです。
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『少女』より

<TEXT&PHOTO/望月ふみ> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 『少女』は10日8日(土)より丸の内TOEIほかにて全国公開 配給:東映 (C)2016「少女」製作委員会
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi
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