
イットちゃんと散歩
「もちろん、象が自然の中で自由に生きられる環境があれば、それが最高でしょう。しかしそれは現状、難しいことです。
犬が人間と共同生活を送るために、さまざまなしつけが必要なのと同じことです。そして、マフーと呼ばれる象使いたちと、しつけや芸を通して心を通わせることは、象にとって幸せなことだと考えています」
確かに、施設での生活は、かなり象のコンディションを意識したものでした。到着してすぐに、象の習性や、してはいけないことを徹底的に学びます。印象的だったのは、
「あなたたちは、象にとって自分たちの家にやって来たよそ者です。不審者が近づいてきたり、触れてきたら、誰だって恐ろしいと感じるはずです。象と信頼関係を築いているスタッフと同じことができるとは考えないでください」と言われたことです。
この言葉で、かなりけん制されました。こんなツアーに参加する人たちのこと、黙ってたらワアワア象さんに近づいていって触りまくることでしょう。それが相手にとってストレスだなんて、考えないに違いないです。
ところで私たちが到着したその朝、1頭の象が亡くなりました。35歳とまだ若く、前日まで元気にしていたとのことです。
「あなたたちに亡くなった象を見せるかどうか悩んだけれど、これが真実なので、ありのままをお見せします。生き物は、産まれ、そして死んでいく。これが事実です」と告げられました。
その象はスマトラ地震の際、瓦礫が散乱して重機が行けない場所へ代わりに入っていき、何人もの人を助けたのだとか。スタッフの人たちは話をしながら、必死に涙をこらえていましたが、中にはこらえ切れず涙を拭う人たちも。
⇒【写真】はコチラ https://joshi-spa.jp/?attachment_id=630147

亡くなった象さんのお葬式が営まれていました
正直、象さんと触れ合う前にいきなりこの場面に出くわしたので、そうとうショックでした(この後すぐにマイオウン象さんとの蜜月が始まったので、そのショックはかなり薄れましたが……)。

イットちゃんと仲良しに