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「東大が女子だけ月3万の家賃補助」は“差別”じゃない【勝部元気】

一人暮らしの女性が抱えている不安

 以前、私が女性と同棲していたとき、隣の部屋に住んでいたカップルがギターを弾きながら歌っていたことがありました。私が「さすがに苦情が出て追い出されちゃうんじゃないの?」と彼女に言ったら、「えー嫌だなー、出て行ってほしくないな」と返してきたんです。  理由は、そのカップルの前に住んでいたのが男性だったから、だそうです。隣が男性一人よりも、ちょっとくらいうるさくてもカップルのほうが安心できるという感覚は、男だとなかなか気が付けないものです。  また、彼女が人通りの少ない時間帯に帰るとき、最寄りの駅まで迎えに行ったり、電話を繋いでおいたりしたこともありました。「ラブラブなだけ」と勘違いされがちな行動ですが、こっちも暇ではありません。決して好きでやっていたわけではなく、単純に危険だからです。 自衛 もちろん、これは過剰防衛だと感じる女性もいるでしょうが、リスク許容度は人によって違いますから、過剰と決めつけるわけにはいきません。  さらに、実際に何かあったとしても、「自衛が足りない!」「リスキーな行動をしたお前にも原因がある!」と責められるわけですから、「一定のセキュリティーを確保できなければ一人暮らしさせるのは心配だ」と女子の親が思うのも当然。東大の施策は必要なものだと私は思っています。

安全に対して、男女で“見えている世界”が違う

 最近お気に入りの宇多田ヒカルさんの新曲『道』に、こんな歌詞がありました。 「目に見えるものだけを信じてはいけないよ」  今回は、「安全な暮らしということに対して、見えている世界が男女でこんなにも違う」という話をしました。「女性が一人暮らしする」とはどういうことかを想像したうえで、発言していただきたいものです。 「相手の立場で考えることが大事」と言うのは簡単ですが、実際には、たやすいことではありません。見えている世界が違うのだという認識を常に持って、環境が異なる者同士を同列で比較しないことが大切だと思います。
勝部元気

小学生の頃の夢は古生物学者。カンブリア爆発が大好きでした

<TEXT/勝部元気> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 【勝部元気】 1983年東京都生まれ。コラムニスト・社会起業家。専門はジェンダー論、現代社会論、コミュニケーション論、教育論等。他にも所持資格数は66個にのぼる(2015年6月現在)。働く女性の健康管理を支援するコンサルティング会社(株式会社リプロエージェント)の代表取締役CEO。ブログ『勝部元気のラブフェミ論』(http://ameblo.jp/ktb-genki/)、twitterは@KTB_genki。初の著書『恋愛氷河期』が発売中
勝部元気
1983年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒。コラムニスト・社会起業家。専門はジェンダー論、現代社会論、コミュニケーション論、教育論等。他にも幅広い知識習得に努めており、所持資格数は66個にのぼる(2015年6月現在)。雑誌・TV・web等でコメンテーター活動をしている他、働く女性の健康管理を支援するコンサルティング会社(株式会社リプロエージェント)の代表取締役CEOを務めるなど、各種ソーシャルビジネスに携わっている。ブログは、男性なのに子宮頸がん予防ワクチンを打ったレポートが話題となった。twitterは@KTB_genki 。初の著書『恋愛氷河期』(小社刊)は発売中
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